最終的に決まった船中八策を見たがひどいものである。民主党のマニフェストよりひどい。これを日本国のためになると考えているとすればトンデモナイ嘘つきである。
間違いを指摘すると「無駄な公共事業復活阻止」というのがある。公共事業は15年前に45兆円であったが現在15兆円になっている。これを復活させない限り日本経済の再生復活はない。橋下は日本経済の復活を阻止したいのだ。その他国会議員数の半減や、さいひの3割減、交付金の3割減が並んでいるが歳出を削っていけばデフレを助長するだけである。
「国家公務員の身分保障を弱める」ことは不要である。必要なのは契約社員や非正規社員の身分を安定化させることである。給料を上げ、失業率を下げ、安心して希望をもって働ける世の中を作ることである。
TPP参加、FTA拡大をかかげているが日本は常時20兆円の黒字が出る国であり、これ以上輸出を増やす必要はない。必要なのはデフレ阻止のために内需拡大である。TPP参加のためにさまざまな開放を行うと将来の日本に禍根を残す。
例えば公共事業を以前と同じに戻したり、防衛費倍増等を行ったときに、増えた公共事業が外国企業にさらわれたり、外国製の武器などを買わされて自前の防衛産業を作れないなどの弊害が生ずる、橋下の狙いは独立の勢力としての日本の復活を妨害したいと考えているのだ。
橋下徹がとんだ食わせ物であることは「韓国との関係強化」を上げている点から明らかである。韓国は「天皇が訪韓したいのなら心から謝罪することだ」と大統領がいい、国民が日本を最大の敵国と考えている国である。どうやって関係強化ができるのか、韓国の無理難題を全面的に認めるようなことを考えているのであれば別だが。全く不可能な話である。
それがよく現れているのは「憲法9条を変えるかどうかを国民投票にかける」という考えである。憲法9条は日本を独立させないために米国が押し付けた条項である。日本を縛るもので9条の扱いとしては「廃止か骨抜き」以外にありえない。これをわざわざ国民投票にかけるというのは「憲法9条を維持したい」という本音が表れたものである。
それに沖縄県民の負担軽減のための過程表を作るそうだがこれはあの鳩山由紀夫の考えと同じである。鳩山は沖縄県民の負担軽減のために普天間基地は最低でも県外移転と言って「抑止力の重要性を忘れていた」と言って前面撤回した。それと同じになるだけである。米軍基地をなくすためには自衛隊の増強、防衛費倍増などが必要である。橋下徹がこれほどのルーピー(おろかもの)だとは驚いた。
脱原発依存体制の構築を掲げているが現時点で原発の経済的な優位は変わらない。原発を廃止していけば電力料金は大幅に上げざるを得なくなる。国民が耐えられないし、日本の産業界の競争力が大幅に減る。そのうえ火力発電のための石油原料の輸入のために膨大な国費を消費しなければならない。このことは目の前に迫った危機である。
橋下徹は船中八策とやらをでっち上げて坂本龍馬を気取っているが坂本龍馬と全く違う、詐欺師である。鳩山、菅、小沢と同じ詐欺師である。皆さんご用心あれ。維新の会はマスコミまで動員して大掛かりなオレオレ詐欺を働いているのである。
平山赳夫氏は船中八策には「国家観がない」と言っているがそれだけではない。庶民は暮らしが良くなるかどうかが第一の関心事であるが「暮らしが良くなりそうな項目が皆無」である。民主党のマニフェストには嘘であったが「子供手当て」「高速道路無料化」「所得補償制度」など良さそうな項目が満載であった。
橋下徹の船中八策ほど夢のないものはない。夢がなくて破壊ばかり。大阪都構想は大阪を元気にする一つの方法である。しかしながら船中八策には日本国を元気にする方策がない。彼らは国政に打って出る資格がない。
平成国富論、村島定行、平成24年8月