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●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●天体の地球衝突についての国際会議、日本科学未来館で5月15日~19日開催

2017-05-16 09:40:55 | 宇宙

 天体の地球衝突について国際的な議論を行う第5回「プラネタリー・ディフェンス・カンファレンス(PDC)」(主催:国際宇宙航行アカデミー)が、日本科学未来館(東京都江東区)において5月15日から19日の会期で開催。同会議では、地球に衝突しうる天体の発見や、天体の地球衝突回避、さらには巨大な自然災害という観点からの議論が行われる。

会期:2017年5月15日(月)~19日(金)
場所:日本科学未来館 7階、未来館ホールおよび木星ルーム
見学できる時間帯:未来館の開館時間帯(10:00~17:00)
見学できるセッション: (1) 口頭発表(未来館ホール) (2) ポスター発表(木星ルーム)
費用・予約など:PDCの見学は無料。予約は不要。
ライブ中継:PDC で行われるオーラルセッション(口頭発表)が中継される(https://www.youtube.com/watch?v=pbUvDqFIgqg&list=PL11KdwQJKIqFBvzQY4a-0K4wGdPtBdwc8)。

<プラネタリー・ディフェンス・コンフェレンス関連企画>

テーマ:地球を守れ!~天体の地球衝突にどう対応するか~
 
日時:2017年5月20日(土)13:30~16:30(開場 13:00)
場所:日本科学未来館 7階、イノベーションホール
参加:定員150人(先着順)、入場無料。事前申し込み不要。当日、会場までお越しください。
主催:日本スペースガード協会
協力:プラネタリー・ディフェンス・コンフェレンス、アステロイド・デイ、米国惑星協会、日本惑星協会
 
プログラム:オープニング : プラネタリー・ディフェンスのやさしいお話  吉川真(JAXA)
       太陽系小天体の謎~予想通りにならないから面白い~  渡部潤一(NAOJ 国立天文台)
       小惑星から地球を守る  ブルース・ベッツ(米国惑星協会)
        小惑星を発見しよう!  浅見敦夫(日本スペースガード協会)
       アステロイド・デイ~発想から世界的な動きへ~  
                      グリゴリ・リヒター(アステロイド・デイ 共同創設者)
       クロージング・トーク(渡部・吉川)


●宇宙探査●電波望遠鏡で地球から60光年以上離れた「デブリ円盤」に炭素原子ガスを検出

2017-04-20 12:59:19 | 宇宙

 理化学研究所の樋口あや協力研究員ほかから成る共同研究グループは、アステ望遠鏡(ASTE、チリのアタカマ砂漠のアタカマサブミリ波望遠鏡)を用いて、地球から60光年以上離れた「デブリ円盤」を電波観測し、炭素原子ガスが存在することを発見した。

 今回、同研究グループはアステ望遠鏡を用いて、くじら座および、がか座方向にあるデブリ円盤「くじら座49(49 Ceti)」および 「がか座ベータ(β Pictoris)」を電波で観測しました結果、両方の円盤で炭素原子のサブミリ波輝線が検出され、炭素原子ガスが一酸化炭素分子ガスの量の数十倍も存在していることが分かった。

 デブリ円盤には水素分子ガスが少なく、主に塵同士の衝突などで新たにガス成分が供給されているという「供給説」を支持する結果が示された。

 今後、同研究のような観測を通じて、デブリ円盤のガスがどの時期まで存在するのかを理解することで、太陽系のような惑星系が完成されるまでの時間の解明や、惑星形成最終期に起こるといわれている原始惑星間の衝突に関する情報の取得につながると期待できる。


●宇宙探査●米のX線観測衛星「チャンドラ」、 新種の謎の天体爆発発見

2017-04-16 20:56:40 | 宇宙

 アメリカ航空宇宙局 (NASA) のX線観測衛星「チャンドラ (Chandra) 」 が、X線の激しい閃光を生じる謎の天体爆発を発見した。この現象は、研究者達がこれまで見たこともないような新しい天体現象の可能性がある。

 同研究の国際共同研究チームには、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) の野本憲一特任教授・主任研究員とアレクセイ・トルストフ 特任研究員が理論モデル構築の面から参加している。


●宇宙探査●すばる望遠鏡、超広視野主焦点カメラ「HSC」による大規模観測データを全世界に公開開始

2017-03-02 17:49:49 | 宇宙

 すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam(HSC、ハイパー・シュプリーム・カム)」で進められている大規模な戦略枠観測プログラム(HSC-SSP)の第1期データが、2017年2月27日(ハワイ現地時間)、全世界に公開された。

 HSCは104個の科学データ取得用CCD(計8億7000万画素)で約1.77平方度の天域を一度に撮影できる超広視野カメラで、すばる望遠鏡の主焦点に搭載されている。

 これは「宇宙の国勢調査」とも言える大規模なデータで、これにより、宇宙の起源とその進化の解明にまた一歩近づくことができる。この美しい天体画像は天文学者のみならず、一般の方も利用することができるようになっている。


●宇宙探査●理研と東大、アルマ望遠鏡で惑星系円盤誕生における角運動量問題解決の糸口つかむ

2017-02-20 22:56:55 | 宇宙

 理化学研究所(理研)坂井星・惑星形成研究室の坂井南美准主任研究員と、東京大学大学院理学系研究科の大屋瑶子大学院生、山本智教授らの国際共同研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて「原始惑星系円盤」を観測し、エンベロープガスが円盤に降着する際に滞留・衝突し、衝撃波が発生することで、エンベロープガスが自ら角運動量(回転の勢いを表す量)の一部を円盤垂直方向に放出していることを見いだした。

 今回、国際共同研究チームはアルマ望遠鏡を用いておうし座の太陽型原始星を観測し、原始星の周りで起こる円盤形成の様子を調べた。その結果、エンベロープガスに含まれる炭素鎖分子の一種「CCH分子」の分布により、円盤の端で原始星方向へ落下するエンベロープガスが滞留・衝突し、円盤と垂直方向に膨れ出していることを発見した。

 これは、垂直方向へ流れ出したエンベロープガスが衝突による衝撃波で回転のエネルギーを消費するとともに、角運動量を放出する役割を担っていると考えられる。

 同研究では、これまでほとんど観測されなかった円盤の「垂直方向の構造」に着目しその構造を明らかにしたことで、角運動量問題解決への糸口を見つけたもの。今後、同じような現象が他の円盤形成領域でも確認できれば、角運動量問題の全容解明へつながると期待できる。


●宇宙探査●岡山天体物理観測所、生命がいるかもしれない系外惑星の様子を捉えることに成功 

2016-12-05 11:24:16 | 宇宙

 国立天文台、東京大学、アストロバイオロジーセンターを中心とする研究グループは、国立天文台 岡山天体物理観測所の188cm望遠鏡と系外惑星観測用の最新装置MuSCAT(マスカット)を利用して、生命がいるかもしれない太陽系外惑星「K2-3d」のトランジット現象(惑星が主星の手前を通過する現象、言わば惑星の“影”)を地上の望遠鏡で初めて捉えることに成功した。

 同研究チームは今回の観測により、惑星の軌道周期を誤差約18秒という高い精度で測定し、将来のトランジットの予測時刻の精度を大幅に高めることに成功した。

 これにより、次世代の大型望遠鏡を用いてこの惑星の大気を調査できる見通しが高まった。今回の研究成果により、将来の地球外生命探索に繋がる重要な足がかりが得られたと言える。


●宇宙探査●東北大など、天の川銀河系に付随する極めて暗い衛星銀河を発見

2016-11-24 17:09:52 | 宇宙

 東北大学、上海天文台、国立天文台、プリンストン大学などのメンバーから成る国際共同研究チームは、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam(HSC)」で撮像したデータの中から、我々の住む銀河系に付随する衛星銀河を新たに発見した。

 この銀河はおとめ座(Virgo)の方向に見つかった最初の矮小銀河であることから、「おとめ座矮小銀河I(Virgo I)」と名付けられた。

 太陽から28万光年の距離にあるこの銀河は、最も暗い矮小銀河のひとつ。


●宇宙探査●JAXA、小惑星イトカワの40億年の歴史発見

2016-06-23 19:52:03 | 宇宙

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の松本徹宇宙航空プロジェクト研究員が率いる研究チームは、小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから回収し、地球に持ち帰った微粒子の表面模様を分析した結果、微粒子表面に40億年以上昔から現在に至るまでの歴史が刻まれていることを発見した。
  
 今回分析した微粒子は、数10マイクロメートルの大きさしかなく、さらに、その微粒子表面の模様はナノメートル(1ミリメートルの100万分の1)程度の大きさしかない。

 同研究チームは、X線マイクロトモグラフィー(X線CT)や走査型電子顕微鏡を用いて、微粒子表面の微細構造を詳細に観察した。その結果、これまでは一種類しかないと考えられていた表面模様のパターンは、少なくとも4種類あることがわかった。
  
 その中の一つは、イトカワ母天体に由来するものであった。小惑星イトカワは誕生時から現在の形状だったのではない。40億年以上前に形成された時には現在の約40倍程度の大きさをもつ天体(イトカワ母天体)で、それが一度破壊され、その破片が集まった天体が小惑星イトカワだと考えられている。

 今回分析した微粒子のなかには、イトカワ母天体の時、つまり40億年以上前に作られたと考えられる模様が残っていた。
  


●宇宙探査●大阪産業大学など、アルマ望遠鏡 (ALMA)で観測史上最遠方の酸素を発見

2016-06-19 16:48:55 | 宇宙

 大阪産業大学の井上昭雄准教授、東京大学大学院理学系研究科の田村陽一助教、国立天文台の松尾宏准教授などの研究チームは、南米チリのアタカマ高原にあるアルマ望遠鏡 (ALMA) を使って、131億光年彼方の銀河に電離した酸素ガスがあることを初めて突き止めた。これは、観測史上最遠方の酸素の発見となるもの。

 ビッグバン当初の宇宙は非常に高温だったため、陽子と電子がバラバラに飛び交う「電離状態」にあった。しかし、宇宙膨張により次第に温度が下がることで約40万年後には電離状態を脱して水素原子が生まれた。

 しかし、さらに数億年が経過するうちに宇宙の第一世代天体が誕生し、それらから放たれる強烈な光によって宇宙に満ちる水素は再び電離されていったと考えられている。これが「宇宙再電離」と呼ばれるもの。
 
 同研究チームは、2015年6月にくじら座の方向およそ131億光年かなたにある銀河の SXDF-NB1006-2をアルマ望遠鏡で観測したところ、電離した酸素の光を検出することに成功した。

 これは人類がこれまで目にした最遠方の酸素であり、宇宙誕生後およそ7億年という宇宙初期に酸素が存在していたことを証明する結果となる。

 


●宇宙探査●甲南大学、「限界を超えた超新星」の爆発前の姿を解明 

2016-06-14 16:50:13 | 宇宙

 甲南大学理工学部物理学科の山中雅之・平生太郎基金研究員を中心とする研究グループは、国立天文台が企画する光・赤外線天文学大学間連携「」を通じた共同研究によって、「限界を超えた超新星」の爆発前の姿を明らかにした。

 同研究グループは、大学等が持つ多数の天文台が共同で実施した徹底観測によって、「限界を超えた超新星」から通常では見られないような非常に強い赤外線が放射されていることを捉えた。

 詳細な解析の結果、この赤外線放射は爆発する前の天体からの放出物に由来していることが分かり、長年未解決であったこの種の超新星の起源天体の正体を明らかにすることができた。

 光・赤外線天文学大学間連携「」は、「大学間連携による光・赤外線天文学研究教育拠点のネットワーク構築」事業の略称。大学共同利用機関である国立天文台と9大学が連携し、国内外にある中小口径望遠鏡を有機的に結びつけて、突発天体等の即時観測、連続観測を行うことで最先端共同研究の推進と大学における天文学教育を促進する事業。平成23年(2011年)より実施。