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●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●鹿児島大学など、100万歳という若い星の周囲ですでに惑星が作られている可能性発見

2016-06-02 16:33:52 | 宇宙

 台湾中央研究院天文及天文物理研究所のイェン・シーウェイ氏と鹿児島大学の高桑繁久教授らの研究グループは、アルマ望遠鏡による観測から、若い星おうし座HL星の周囲のガスの円盤に二重の溝が存在していることを発見した。

 おうし座HL星を取り巻く円盤に含まれる塵の分布はアルマ望遠鏡の超高解像度観測から詳細に明らかになっていたが、ガスの分布がこれほど高解像度で明らかになったのは、今回の研究が初めてのこと。

 塵とガスの両方で同じ場所に溝が見られたことは、その場所で惑星が形成されている強い証拠であり、100万歳という若い星の周囲ですでに惑星が作られている可能性が高まったことで、惑星形成のシナリオを大きく書き換える必要が出てきた。


●宇宙探査●東京大学など、130億光年彼方での一般相対性理論を検証

2016-05-13 15:03:41 | 宇宙

 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)、東京大学、東北大学及び京都大学からなる国際研究グループは、すばる望遠鏡を用いたFastSound (ファストサウンド) という銀河サーベイにより、平均して130 億光年もの遠距離にある約3000個もの銀河までの距離に基づく宇宙3次元地図を完成させた。

 さらに地図中での銀河の運動を詳しく調べ、重力によって大規模構造が成長していく速度の測定に初めて成功した。そして、そのような遠方宇宙でも構造形成速度がアインシュタインの一般相対性理論の予想と一致することを確かめた。

 今回の結果は、一般相対性理論は正しく、アインシュタインが導入した宇宙定数により宇宙の加速膨張が起きているという説をさらに支持するものとなった。


●宇宙探査●アルマ望遠鏡、宇宙に満ちる謎の赤外線放射の起源を解明

2016-04-11 15:16:25 | 宇宙

 東京大学宇宙線研究所の藤本征史氏と大内正己准教授をはじめとする研究チームは、アルマ望遠鏡を使って、人類史上最も暗いミリ波天体の検出に成功し、これらの天体から放射される赤外線が、これまで謎だった宇宙赤外線背景放射の起源であることを解明した。。

 さらに同研究チームは、今回の研究で見つかった暗いミリ波天体をハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡の光赤外線の画像で調べた結果、暗いミリ波天体のうち約60%の正体は、これまで光赤外線の観測で知られている遠方銀河であったことが判明した。

 一方、残りの約40%の天体は、光赤外線観測では姿が見えない天体であった。

 今回の研究によって、宇宙赤外線背景放射の起源が銀河などの天体であることが明らかになった一方で、これらのうち40%については正体不明の新しいタイプの天体である可能性が出てきた。


●宇宙探査●JAMSTECと広島大、隕石中に特殊なガーネットを世界で初めて発見

2016-04-08 11:19:34 | 宇宙

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)と広島大学の研究グループは、母天体における衝突により高温高圧を経験した隕石中に、超高圧でしか形成されない特殊なガーネットを世界で初めて発見した。

 同研究グループは、1879年にオーストラリアに落下した隕石に含まれる、衝撃で変成した部分を、JAMSTEC高知コア研究所が所有する超高空間分解能の透過電子顕微鏡を用いて詳細に解析した結果、MgSiO3組成に富む正方晶ガーネットを世界に先駆けて、同定し、その存在を明らかにした。

 さらに、このガーネットの生成条件は圧力17-20万気圧、温度1,900-2,000°C、衝撃後の冷却速度は1,000°C/秒以上であると推定しした。

 今回発見された正方晶ガーネットは、小天体の物性や相互の衝突速度など初期太陽系プロセスを探る重要な鍵をにぎるほか、地球内部のマントルにも存在する可能性があり、マントルの物性を解き明かす上で大きな役割を担うことが期待される。


●宇宙探査●低温重力波望遠鏡「KAGRA」、試験運転開始

2016-03-25 14:43:18 | 宇宙

 低温重力波望遠鏡「KAGRA」は、3月25日午前9時よりの試験運転が開始され、基線長3kmという大規模なレーザー干渉計が動き始めた。

 試験運転は、3月31日17時まで行い、その後4月11日から25日まで再度行う予定。


 


●宇宙探査●日韓合同電波望遠鏡群、巨大ブラックホールの「超光速運動」検出に成功 

2016-03-16 15:16:36 | 宇宙

 国立天文台水沢VLBI観測所の秦和弘助教が率いる国際研究チームは、活動銀河M87の中心に存在する巨大ブラックホールから噴出する高エネルギープラズマ「ジェット」の運動を、「日韓合同VLBI観測網」を用いてかつてないほど高い頻度で詳しく観測を行った結果、ジェットの速度が見かけ上、光の速度を超える「超光速運動」を、ブラックホールから噴出後わずか5光年に満たない地点において検出することに成功した。

 同結果はこれまで考えられていたよりも10倍以上もブラックホールに近い位置でジェットが既に極めて大きな速度に加速されていることを示唆しており、ブラックホールの強い重力を振り切り、いかにしてジェットが噴出されるのか、という長年の謎を解明する重要な手がかりになると期待される。

 日韓合同VLBI観測網とは、日本と韓国に跨る計7台の電波望遠鏡を合成することで、高い解像度と感度を実現する巨大な望遠鏡を仮想的に形成する日韓共同プロジェクト。

 


●宇宙探査●梶田隆章教授ノーベル賞受賞記念 連続講演会:カミオカから宇宙をみる

2016-03-08 16:26:09 | 宇宙

【第28回東京大学理学部 公開講演会】

<梶田隆章教授ノーベル賞受賞記念 連続講演会>

テーマ:カミオカから宇宙をみる

 岐阜県・神岡。小柴昌俊東京大学特別栄誉教授に続き、梶田隆章東京大学特別栄誉教授のノーベル賞受賞を生み出したその地は、世界でもまれにみる物理学の最先端研究の現場。素粒子・ニュートリノや重力波の研究が、宇宙の姿を明らかにしつつある。次なる大きな成果は、目前に迫っているかもしれない。

①神岡での実験が捉えたニュートリノ:宇宙線研究所 教授 中畑 雅行

②ニュートリノ研究の発展と展望:物理学専攻 准教授 横山 将志

③重力波でさぐる宇宙:物理学専攻 准教授 安東 正樹

会場:東京大学 安田講堂

開催日:2016年4月24日 午後2時~5時

主催:東京大学大学院理学系研究科・理学部東京大学宇宙線研究所

定員:700名

参加費:無料

申込方法:http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/news/13555/ (当日席有 200席<2階席>)
*定員に達し次第締切り。


●宇宙探査●国立天文台など、すばる望遠鏡で銀河の大量の電離ガスの詳細構造捉える

2016-02-19 15:21:14 | 宇宙

 広島大学、国立天文台、台湾中央研究院、法政大学からなる研究チームは、すばる望遠鏡主焦点カメラSuprime-Cam(シュプリーム・カム)での観測によって、スターバースト銀河「NGC 6240」から吹き出す大量の電離ガスの詳細構造をとらえることに成功した。

 この電離ガスは、差し渡し30万光年にも及んでおり、スターバースト(銀河の中で起こる激しい星生成活動=爆発的星生成)によって生成された銀河風によって銀河から外に吹き飛ばされている。

 これは、すばる望遠鏡の集光力と高解像度によって、近傍宇宙では最大規模の銀河風の複雑な構造が明らかになったもの。


●宇宙探査●JAXA、金星極域の高温の生成・維持メカニズムを理論的に解明

2016-02-08 14:28:26 | 宇宙

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の安藤紘基宇宙航空プロジェクト研究員が率いる研究チームは、大規模なコンピュータシミュレーションから、金星の極域上空の大気に生じている特異な気温分布を世界で初めて再現し、その生成・維持メカニズムを理論的に解明することに成功した。

 1970年代の金星探査ミッションによって、金星の極域上空の大気で、気温が高い領域を冷たい領域が囲っているという不思議な気温分布が明らかになった。どのようにしてこの気温分布が生じ、長期間維持されるのか、そのメカニズムは現在まで解明されていなかった。
  
 今年4月頃から、金星探査機「あかつき」が本格的な観測を開始する。「あかつき」に搭載された複数のカメラによる観測から、金星の南北方向の大気の流れの強さや気温分布がわかれば、同研究で用いられた理論モデルを実証することにつながり、そのようなモデルで観測成果を解釈することで、金星の大気・気象への理解が深まると期待される。
 


●宇宙探査●東大など、115億光年彼方の原始グレートウォールの内部に巨大銀河誕生の現場を発見

2015-12-05 22:49:20 | 宇宙

  東京大学大学院の国際研究チームは、アルマ望遠鏡による観測から、115億光年彼方に位置する若い銀河の大集団、いわば宇宙最大の天体である「原始グレートウォール」の中心に、爆発的な星形成活動を行っている銀河(モンスター銀河)が9個も群れ集まっている様子を捉えることに成功した。

 一つ一つのモンスター銀河は我々の住む天の川銀河の数百倍から1000倍もの凄まじい勢いで星を形成しており、やがて巨大銀河へと進化すると考えられている。

 この結果は、原始グレートウォールが巨大銀河の誕生を支える母体であることを指し示すものであり、モンスター銀河の形成過程やその後の進化の解明につながると期待される。