
中国に出張するときに、荷物にならないように文庫本をもっていくのですが、ほとんど読みません。でも何もないと現地でパニックになるので、必ずエイャで選んで持って生きます。
今月は結局行かなくて済みそうですが、これまで2回明日行ってみたいなのがあって、そんな理不尽な仕事には、もっと理不尽な内容の小説をぶつけてみました。
今までにたぶん読んだことがないけれど、一度読んでみようと思っていたディーン・クーンツの文庫がありましたので買ってみました。
「ヴェロシティ」というサスペンスで、昏睡状態の婚約者を持つバーテンダーが、彼宛におかれたメモから、一方的に理不尽な殺人ゲームに巻き込まれていく小説です。
出だしの最初の殺人があっという間に起こって、これは理不尽、2人の人間のどちらかを殺人相手に選べという指示で、指示をしないうちに殺人はおこります。
おお、この理不尽より私の方がずっとましだと、これでは比較にならなない。
次から次へと犯人の罠に嵌っていって、なんとも犯人がスーパーマンのよう。
第二、第三の殺人が進むうち、気持ちは悪いし、犯人の思い通りに全てが進み、納得できない。ミスゼロ、偶然ゼロ、犯人像が見えてきません。犯人の人格が感じられないままに後半まで来てしまいます。
孤軍奮闘のバーテンダー、ビリーが逆にパラノイアで、全て1人芝居に思えてきました。
そう思うと、動機はわかりませんが、自分の両親を殺した過去があるビリー、起こることはすべて納得いくようにおもえるのです。
でもそうなると、話は完全に種が開いているわけで、これじゃつまらないと最後のほう、でお終いは・・・・・であれよあれよと・・・・・でこんなもんかと、
この小説、結構評判が良いようですが、そこが良く解らないままクーンツにレッテルしました。
本屋さんで村上春樹文庫が平積みされている中で、読んでいなかった短編集があるのでこれは口直しという気で買いました。
村上春樹の「神の子供たちはみな踊る」という小説です。

内容は下記からなります。
• 連作『地震のあとで』その一 UFOが釧路に降りる (1999年『新潮』8月号)
• 連作『地震のあとで』その二 アイロンのある風景 (1999年『新潮』9月号)
• 連作『地震のあとで』その三 神の子どもたちはみな踊る (1999年『新潮』10月号)
• 連作『地震のあとで』その四 タイランド (1999年『新潮』11月号)
• 連作『地震のあとで』その五 かえるくん、東京を救う (1999年『新潮』12月号)
• 蜂蜜パイ (2000年2月 『神の子どもたちはみな踊る』に書き下ろし)
1995年1月におきた神戸大地震のニュースを背景に6ヶの物語が、そこには村上春樹のキャラクターのエッセンスがあるものの、雰囲気がなんだか荒廃しているし、残虐さも感じ、これまでの春樹と一味違うようにかんじるのです。
そんな中最後の書き下ろし“蜂蜜パイ”が良い。なんだか自分も感じるたような、青春とその後の人生、この描き下ろしが最後に持ってきたことでよい終わりになっています。
淡々とした、安心できる結論がありました。
ぜひ、私は同でも、でもレコーディング後のトライソニーク、年末のファイナルまで少ない演奏は気合が入るとおもいます。
遠いところから大変ですが、ぜひキャメルさんには、1st、2ndを通して聴いていただきたいと思います。
無理はなさらないように、感想を書こうと思っています。