先般買ったティエリー・マイヤールのピアノ・ソロが素晴らしかったので、そのひとつ前のアルバムをみたら、こちらもソロだった。1年前の録音だけれどマイルスの曲を演ったソロの次のソロになるアルバムだった。
新作の「Asgrd」の強烈な印象があるから、とてもそんだけれど、1曲目とても落ち着いた曲で始まって甲乙つけがたい仕上がりだと思う。それこそ新作を知らなければマイヤール、ソロいいとい言っていただろう。
多くのパターンで弾いてきている余裕で、ピアノを通じて音楽を伝えるということが普通に出来るという感じだ。
聞いていてどちらが先というような変化は見られない。ピアノに向かっているマイヤールが思い浮かぶだけだ。
あえて言うならば新作のレーベルが、ピアノ・ソロに特化している作品集の中でのリリースなので、意気込が知られている曲を入れた方に、強さは感じる。
こちらのアルバムはすべて、オリジナルで、ピアノのソロでオリジナルを伝えるということの難しさを、実に簡単にこなしているように感じる。
直近のソロ・アルバムに差があるように感じないし、こちらの方が落ち着いているととらえる方も言えるように思う。
実は新しいアルバムを今年のベストの中に入りそうな評価をしたけれど、この前作も合わせて素晴らしいと思う。
Une larme pluie / THERRY MAILLARD
Thierry Maillard (p)
2022年作品
1 A peine perceptible
2 La péninsule de Dingle
3 Incarnation
4 Les Romantiques
5 Les Glaces de Lendbreen
6 Liv
7 Les Bois bordent l’eau
8 Mystère Incarné
9 Les îles d’Aran
10 Origines
11 Solitude de l’âme
12 Prélude
13 Une larme de pluie
14 Le lac Myvath
15 Les chutes de Dettifoss
16 Les Fjords de l’ouest