e.s.tが活動しているころから影響を受けていることは明らかですが、独自性を加味して活動をしているグループがありました。
そのグループの最たるものがFormat 3,CHAT NOUR,Tingval Trioでないでしょうか。
CHAT NOIRが定期的にアルバムをリリースしてくれることは嬉しいかぎりです。そしてやっと、日本市場でもe.s.tを引き合いに出してP.Rしてくれだしました。
このアルバム、CHAT NOIRの4作目でしょうか。
前作「Difficult to see you」と同様トータルにアルバム・イメージをつくっていて、全曲オリジナルそれがこのグループの行き方でしようか、スタンダードとかの世界ではない、独自の世界、e.s.tの先かもしれませんがそこを目指しているのでしょう。
前作もSF大作のような作品でしたが、デヴュー作の「adoration」2作目の「decoupage」とダイナミックなサウンド構成と美しいメロディー、そして物語性が発展してきた感じです。
最新アルバムはタイトルが「Weather Forecasting Stone」でその石を連作としたアルバム、これも前作同様ストーリーがあるのでしょうか、まるでファンタジーかミステリーのような曲名です。
曲を聴きながらいろいろ空想したので、演奏を聴いているというより、映画を観ている感じです。
1曲目石の回廊をたどって閉ざされた場所に入っていくプロローグ。
2曲目移ろう影と古く焼きついた陰、二つはある瞬間に合致する。
3曲目使命を封印された石が動き出す。
4曲目いなくなった石、もう一つの挿話、別の物語の存在。
5曲目出現した啓示。
6曲目残された謎と不明瞭な合意。
で実際にあるのです。天気予報石、イギリスの湖で2008年に発見されたそうです。
そしてその意味も。石が状態で天気を予報するってあるけど、石がゆれれば風が吹いていて、影が地面に落ちれば太陽がでている。濡れれば雨が降っているって、馬鹿にされていると思ってはいけません。
実はこの石には重大な使命があるのです、たぶん。
・stone is dry 石が濡れていれば : 雨
・stone is wet 石が濡れていなければ : 雨は降っていない
・shadow on ground 影が地面に出れば : 晴れ
・white on top 上が白くなれば : 雪
・can't see stone 石が見えなければ : 霧
・swinging stone 石が揺れていれば : 強風
・stone Jumping up & down 石が上下に跳ねていれば : 地震
・stone gone 石が無くなったら : 竜巻
想像力は私の方が豊かみたいです。上が白く見えれば雪がふっているではどうも曲調とはちと違う、これはやはり出現した啓示の方が・・・。
まあそこまでは空想しすぎですが、私2010年に公開された、マーティン・スコセセッシ監督のディカプリオ主演の「シャッター・アイランド」を思い出してました。
岩肌たった島に事件を追う捜査官、段々と食い違う思考と現実、幾つかの謎が一つ一つの挿話となっていくあたり、そっちへの空想のほうがしっくりきます。
ちょっと大仰なところ、好みが分かれるかもしれませんが、それを納得させる演奏ですのでCHAT NOIR一度は体験してはいかがでしょうか。
Weather Forecasting Stone / CHAT NOIR
Michele Cavallari(p, live electronics, effects)
Giuliano Ferrari(dss, Mandala sounds, glockenspiel)
Luca Fogagnolo(double-b,el-b, theremin)
1 stone is dry
2 shadow on ground
3 swinging stone
4 stone gone
5 white on top
6 can't see stone
7 stone is wet