JAZZ最中

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ラストを書き換える The OLATUNJI CONCERT / JOHN COLTRANE

2009-02-24 22:23:21 | 聞いてますCDおすすめ


ジョン・コルトレーンに影響を受けたイタリアのサックス奏者Eraldo Volonteの演奏を聴いたら、コルトレーンが聴きたくなりました。
中古屋さんで実はずっと聞きたかったアルバムに出会いました。
最後に買ったコルトレーンのCDがなんだったか定かでありませんが、LPははっきりしています。
JAZZを聴き始めた当時、すぐにコルトレーンが亡くなってしまい、リアルタイムで触れたLPは遺作として発売された「エクスプレッション」でした。



私にとって“オグンデ”がコルトレーンの最後の演奏として、1968年いらいずっと心に残ってきました。
ずいぶん経ってから、その演奏より後のもののアルバムが出ていることは知ったのですが、「エクスプレッション」私の大切な場所にいたので、あわてて書き換えませんでした。
このたびEraldo Volonte の導きによって最後を書き換えることになりました。
1967年4月23日開設さらたオラトゥンジ・アフリカ文化センターでのライブで、紹介のあと“オグンデ”と“マイ・フェバリット”が録音されています。
アルバム「エクスプレション」のオグンデがライブになってどのようになるか興味、大です。
“オグンデ”コルトレーンの祈りのようなテーマは変わりませんが、その後サンダースが入ってくると、ライブらしいところ、現実的には力の落ちたコルトレーンは、ある表現の継続にファラオが必要だったのでしょう。
怒涛のファラオは祈るようなコルトレーンの裏返しで従者のような感じでそれを引き継いだコルトレーンがそれを凌駕した咆哮です。
そしてその後驚くのが、当時はまるで馬鹿にしていたアリス・コルトレーンのピアノ、これが凄くいい。そしてラシッド・アリも昔の思い出では、いまいちタイミングがあわないドラムだと思っていましたが、ここでは凄い、コルトレーンにぴったりと対応して重たいエルビンよりか素晴らしい。
こうやって聴くとこのライブのほうが良いように思いますので、ラストの思いを書き換えればよいのですが、「エクスプレッション」でしっかり別れをしていた身にとっては、そちらもとって置きたい感じです。
「エクスプレション」が敬虔な聖書の文字で綴られているとするならば、こちらはそれを現実的に表現したような、もうすぐ消え入るコルトレーンが、自分の焼き場の火を煽っている感じです。
(おくりびと、アカデミー賞受賞おめでとうございます。映画を見た人この表現もお分かりいただけるでしょう。)
そして次の曲が“マイ・フェバアリット・シングス”ジミー・ギャリソンのソロから始まるのはとてもうれしい。
録音のバランスが急におかしくなったとしても、それで演奏の価値はまるでかわりません。途中で戻るとこれが最後のソプラノ・サックスです。マイ・フェバリットは昇華してオグンデと同じような域を漂います。
多く演奏で聴いてきたこの曲がきわまったように身にしみる、心の中心に突き刺さるのは、やはりラストだからでしょうか。
いえそんな事ではない、ファラオの渾身のテナー表現のあと、再び留まらることなく上昇するのソプラノのプレー、これが最後の演奏でよかった、最上と思えてきます。
気分がどんどんと上昇していき、これが最後のコルトレーンと、記憶を書き換えることにしました。

改めて合掌。

THE OLATUNJI CONCERT / JOHN COLTRANE

John Coltrane - soprano saxophone, tenor saxophone
Pharoah Sanders - tenor saxophone
Alice Coltrane - piano
Jimmy Garrison - bass
Rashied Ali - drums

1. Introduction [By Billy Taylor]
2. Ogunde
3. My Favorite Things

1967年4月23日  the Olatunji Center of African Culture,New York
コメント
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