ある40代女性の生活

40代女性の生活の一例です。
よろしければ
ご感想をお聞かせください。

『リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大切なこと』

2008年07月16日 06時21分02秒 | 本、雑誌
林田正光『リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大切なこと』(あさひ出版、2004年)を読みました。

「リッツ・カールトン・ミスティーク(神秘)」という言葉があります。

ホテル「リッツ・カールトン」に行くと、何年か前に一度泊まっただけなのに、ホテルに入った瞬間に「○○様、いらっしゃいませ」と名前で呼ばれ、ゴルフで行って、コーラが好きだったこと、枕はそばがらで、浴衣を好むことまで覚えていてサービスされるということです。

林田さんは、大阪の「太閤園」という大阪の迎賓館と言われる老舗ガーデンレストランを50歳で退職し、1996年に「ザ・リッツ・カールトン大阪」に入社して準備段階から関わり、営業支配人、営業統括支配人を7年間務められました。

この日本の接客のプロの目から見た「リッツ・カールトン」の方針のユニークさを紹介されています。

リッツ・カールトン・カンパニーは、創業の際、社会の頂点の5パーセントの層を対象としてマーケティング戦略を立てました。

そうすることで、「競合他社との差別化を図り」、「値下げ競争に巻き込まれることなく」、「商品やサービスを高い値段でも売ることができる」のです。

そのためには、その層の人たちから支持を得なければなりません。

その秘訣は、

1.「クレド」(credo)

ホテルの信条、哲学といったものです。

林田さんは入社と同時にゼネラルマネジャーから小さなラミネートカードをもらいます。「クレドカード」と呼ばれるもので、リッツ・カールトンの理念と行動指針が書かれています。三折りにすると名刺大になり、常に携帯できるようになっています。

「リッツ・カールトン・ホテルはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえております」と書いてあります。

これはお題目ではなく、月に2、3度の面談研修の際に、どのように部下に具体的に指導しているか聞かれます。

「クレドカード」には、クレドを具体化する「サービスの3ステップ」「従業員の約束」「モットー」「ザ・リッツ・カールトン・ベーシック」も書かれていて、総称して「ゴールドスタンダード」と呼ばれています。

2.顧客満足度と従業員満足度

リッツ・カールトンは、顧客満足度とともに従業員満足度にも、非常に重きを置いています。

年に数度、全世界のリッツ・カールトンで一斉に「従業員満足度調査」をし、従業員は匿名で約80~90項目のアンケートに答えます。項目は毎回変わり、結果はアメリカ本部に送られて、ホテルごと、セクションごとの満足度が出ます。

3.「ノー」と言わない対応

リッツ・カールトンのサービスの特徴は、「ノーと言わない」です。

予約の電話の際に満室だったら、「私どものホテルはいっぱいですが、差し支えなければ近くのホテルの空き状況と料金を聞いてご連絡差し上げます。いかがでございましょうか」と答えます。

レストランのオーダーストップが2時半のところに、お客様が3時に来られたら「せっかく来てくださったのだから」と食事をしていただく。

4.「パーソナル」なサービス

何年か前に一度泊まっただけなのに、ホテルに入った瞬間に「○○様、いらっしゃいませ」と名前で呼ばれるのは、実はドアマンが小さなイヤホンとレシーバーを着けていて、荷物についたタグ等でお名前を把握し、レセプションにも連絡することで、キーが用意され、荷物が部屋へ届けられるのです。

好みの情報は、ルームメイドやサービススタッフがメモに書き、それを顧客管理部門がデータ化し蓄積します。

それを基に、例えば、「日経新聞」を用意し、バスタオルは2本多め、お酒は召し上がらない等が用意されるのです。

5.「最高のサービス」というブランドが利益を生む

リッツ・カールトンのサービス料金は13パーセントです。
他のホテルが10パーセントなので、その差は年間数億円の純利益になります。
------------------

成功した社長さんの本を読んでいるときに、「リッツで誕生会をした」とか、「リッツに泊まったとき」と書かれていて、いちホテルをそんなに名前を出して書かれるほど気に入っていらっしゃるのだなと思いながら読んだ記憶があります。

世の中には、確かに物の値段を見ないで買うような人々がいます。
そういう人たちに気に入られる秘訣が、心配りだったというのがおもしろいと思いました。

豪華な施設は思いつきやすいですが、本当のポイントは人の心にあったのかと感心しました。

おはよう日本:宮崎駿「崖の上のポニョ」

2008年07月16日 05時53分41秒 | テレビ
昨日の「おはよう日本」(NHK、午前4:30-)で、宮崎駿監督の新しい映画「崖の上のポニョ」について、インタビューを交えて放送されていました。

「崖の上のポニョ」は、海に棲むさかなの子ポニョ(女の子)と、人間の子供の宗介(5歳)の心の物語です。7月19日から公開予定です。

宮崎さんは、海が舞台のこのお話を「水と空気の境目」を重視しないで作ったということで、「水の中の美しくてワクワクする世界」を楽しんでほしいと話していらっしゃいました。

これまでの作品は、CGも活用して作品を作ってこれれました。
この「崖の上のポニョ」は、CGを使わず、手で描かれました。
絵の数は17万枚になり、70人のスタッフが1年半かけて書いたそうです。

宮崎さんは、「電気がやったものは、人が驚かなくなっている」ので、「鉛筆でやってみよう」と考えられました。
できあがった画面は、自分たちでも新鮮に感じるそうです。

「世界を全部、動かそうと思って映画監督になった」ということで、手書きの絵の微妙な揺らぎが、アニメーションに生命感を与えてる効果となっています。

宮崎さんは、映画を制作するにあたって瀬戸内海を訪れ、実際の海を見ながら構想を練られました。

「海に対する敬意は持っていたほうが、つつましやかでいいと思います」

「世界はいきものだという感覚は、小さい子は皆、持っています」

「本当に喜んでくれる子供に1人でも出会えたら、嬉しいと思います」
とおっしゃっていました。
-------------------------

宮崎駿監督の「崖の上のポニョ」制作の密着取材をした番組が、8月5日にNHK「プロフェッショナル」で放送されるそうです。

映画館で予告編を見ました。
大きな画面だと、テレビの画面では気がつかなかった、細かいところまで描き込まれていて、美しかったです。

8月5日の番組も見てみようと思います。