ある40代女性の生活

40代女性の生活の一例です。
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ゴーギャン展: 行ってきました

2009年07月08日 06時57分48秒 | 美術
昨日、「ゴーギャン展」に行ってきました。

東京国立近代美術館で、9月23日まで開催されています。

ゴーギャンは、タヒチの女性の絵で有名な、19世紀末~20世紀初頭のフランスの画家です。

今回の一番の見どころは、「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこに行くのか」という題の横長の大作です。

ボストン美術館の所蔵作品です。

それ以外にも、ゴーギャンがタヒチで絵を描くようになるまでの作品や、それ以降の作品など、全部で53点が展示されていました。
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平日の昼間だったので、作品のすぐ前まで行ってじっくり鑑賞することができました。

東京国立近代美術館は、皇居の北東部に位置し、東京駅からの無料シャトルバスも出ています。
最寄駅は竹橋駅(東西線)です。

いつもは本で見ている作品の本物を見ると、やはり感動します。

フランスの画家がどうしてタヒチに?と不思議に思っていたら、ゴーギャンのお母さんは、ペルーの貴族の血が流れた人で、実際1歳から6歳まではペルーで暮らしたこともあったのでした。

疑問に思ったのは、こんなに長期間、タヒチで生活した旅費、生活費、画材代はどこから出ていたのか。

タヒチの女性の絵を誰が買ってくれていたのか。

特定のパトロン(出資者)がいないと、絵だけで生計は立てられるものではないと思うのですが。

今回のゴーギャン展は、それぞれの絵に解説が展示してあるのも嬉しいことでした。
(通常は、絵の題名、制作年、画材だけのことが多いです)

ゴーギャン展には、所蔵作品展(常設展)のチケットもついてきます。
時間が許すようだったら、ぜひ、こちらも見てみてください。

美術の教科書で見たような重要文化財級の作品が多数あります。
4階の休息コーナーから見る皇居のお堀の風景は、一見の価値があります。


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日本橋「吉岡幸雄 源氏物語展」

2008年12月12日 06時43分42秒 | 美術
昨日、日本橋高島屋で開催されている「千年紀記念――源氏物語の色 吉岡幸雄の仕事」を見に行きました。

午前11時と午後3時に、ご本人による解説があるとあったので、それに合わせて行きました。

高島屋のエレベーターは昔ながらのエレベーターガールの方が案内されるスタイルです。一番左が8階直通でした。

吉岡さんは、背の高い方で、生成りの上着で説明されました。

会場は100人以上の人でいっぱいです。女性が7割、男性が3割、着物を着た方も多いです。

美しい色に染められた生地が高い位置から展示され、とても華やかです。

入口の近くから1コーナーずつ説明されました。

源氏物語は、紫色を基調とした、紫の物語と言えるそうです。

源氏が朧月夜に会う場面のコーナーでは、現在は繭は茹でてから絹を取り出しますが、当時はカイコが吐いた生の絹を使ったものもあり、これを使うと透けた生地ができるとのことで、袖の部分に使用してありました。

当時は身分によって、紫(濃淡)→赤→緑→青と5位の色が決められていて、9官位をそれぞれの色で再現してあり、当時はこんな色の衣装を着たのだろうかと見ました。

最も興味を感じたのは、若紫の帖で、源氏がマラリアの治療に行った際に、庵を発見し、10歳くらいの女の子がふせごうに入れていたすずめが逃げたと泣いている場面を扱ったコーナーでした。

桜の後の山吹の季節に、その女の子が白と山吹色(くちなしで染めるそうです)の組み合わせで着ていて、源氏はこんな子どもがちゃんと季節に合った着方をしていると風情を感じたとする、その白と山吹も再現してありました。
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右手にはお弟子さんたちが工房で作った、それぞれの色で染められたストール、バッグ等の小物や本も販売されていました。

その場で『源氏物語の色事典』を購入した方は、中央の席で吉岡さんご本人に筆でサインしてもらっていました。

ご本人に解説してもらうと、展示の意味も深く理解でき、印象深くなると感じました。


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「ストラディバリウス」は小氷河のたまもの

2008年07月08日 06時18分39秒 | 美術
昨日Yohooニュースを見ていたら、「バイオリンの名器『ストラディバリウス』は小氷河の賜物か:CTスキャン分析」という記事がありました。

WIRED VISIONからの記事ということです。

オンラインの科学ジャーナル『Public Library of Science ONE』誌に7月2日(米国時間)に掲載された「古典的名器と現代のバイオリンにおける木材密度の比較」という題の研究報告が掲載されました。

その中で、オランダの研究者グループが、イタリア人の名工アントニオ・ストラディバリが18世紀初めに作った名器5台と、調音的にはそれらと遜色のないバイオリンとを、CTスキャナー(コンピューター断層撮影)して調べました。

その結果、ストラディバリのバイオリンで使われている木材は、中の密度が驚くほど均一になっていて、木目の幅の違いがほとんどないことが分かったということです。

その理由として、ストラディバリが生きていた時代が小氷河だったからと書かれています。

夏も低温の時期が続いたので、密度が均一な木材ができたということのようです。
「小氷河」は、14世紀から19世紀半ばまで続いた寒冷な期間とあります。

今まで3世紀もの間、ニスの塗り方に秘密がある、木材を沸騰した湯に通した、池に浸した等の説があったそうです。
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すばらしい発見だと思います。

最近、このコンピュータを使って対象の密度を調べる方法は、あちこちで使われていますね。この前見たテレビ番組では、イタリアの壁画を調べて、その奥に以前描かれた絵があることが分かり、その絵の様子まで分かるとされていました。

ストラディバリと同時代のバイオリン製作者もたくさんいたのを考えると、すばらしい技術+すばらしい材料+すばらしい保管ということなのでしょうか。

ストラディバリウス5台を借りてきて調べるときは、研究者は緊張しただろうと思います。

日本の演奏家が購入したときも、家一軒と同じ値段と書かれたのを読みましたし、最近では4億円で落札されたというニュースも見ました。

井上雄彦さん「最後のマンガ展」

2008年05月30日 07時00分35秒 | 美術
昨日、NHKの「おはよう日本」で紹介されていて、朝日新聞の文化面にも記事がありました。

「スラムダンク」、「バガボンド」の井上雄彦さんが、上野の森美術館で「最後のマンガ展」を開催されています。

「バガボンド」は宮本武蔵を主人公としたマンガで、『モーニング』(講談社)に連載されてきました。

「最後のマンガ展」に行ってみました。

上野の森美術館は、上野駅公園口を出て、左手です。
雨の夕方ですが、展示場の前で記念写真を撮っている人がたくさんいました。
当日券の販売は、午後4:30までで、ぎりぎりで入れてもらいました。

作品140点が全部書き下ろしということです。

すばらしいの一言です。

A1から、1.5m×3mくらいの作品など、大きさも様々、各部屋の照明、絵以外のものもあったりします。

マンガというより、躍動的な美術(日本画)展という印象を受けました。

こんなに大きな作品なのに、デッサンにくるいがないのはすごいことだと思いました。井上さんは、美大に進学しようと考え、高校3年のときに美術予備校の夏期講習を受けられたこともあると聞いて、納得しました。

展示を読み進むうちに感動して、熱い気持ちになりました。

出口では、関連グッズが購入できます。
DVD、Tシャツ、ボールペンの他に、武蔵のフィギャー(18900円)もありました。
『いのうえの』三日月編は、この展示会の経過を追える内容で、通常本が2800円、特別装丁本(井上さんが細工した1点づつのオリジナル表紙)が3000円で、見本が12冊程あるのに、皆、誰かが見ていて順番待ちで見ました。

NHkのインタビューに「体で感じる読まれかたをしたい」と答えていらっしゃった、そのとおりの展示でした。

重要文化財には補助金が出る?

2008年03月29日 06時22分59秒 | 美術
先日、山形の文翔館を見て、10年間に33億7,440万円の修復費を出した山形県民は太っ腹だと書きました。

国の重要文化財に指定されると、国から補助金が出るようなのです。

朝日新聞3月25日の2面に、「ニュースがわからん!」というコーナーがあり、「国宝って、どれくらいあるの?」という記事が載っていました。

ここの最後に、国宝や重要文化財に修理が必要だけれど所有者が払えない場合、最大で85%の補助が国から出るとありました。

それなら納得です。

どういう手続きが必要で、どのくらいの比率で国が補助したのか知りたいと思いました。

「国指定文化財データベース」に山形の文翔館は、「山形県旧県庁及び県会議事堂」として確かに入っていました。

手続きは、ウィキペディアによると、候補物件になったところで、文化庁が調査をし、文化審議会が検討し、文部科学大臣が指定するようです。

どのくらいを国が出したのかは、今回は分かりませんでした。

片岡鶴太郎展08

2008年03月07日 05時30分46秒 | 美術
「片岡鶴太郎展'08」へ行ってきました。

会場はたくさんの人、盛況のようです。
会場に着いて最初に驚いたのは、入口前で片岡鶴太郎さんの絵の描き方を伝えるビデオを流していて、それが非常に詳しくて、ここまで教えてしまっていいの?と思うくらいです。

例えば、「魚を描く」では
 ①魚をスケッチする(トレーシングペパーにB4鉛筆)
 ②描き写す(麻紙に青花ペン)
 ③墨描き
 ④ドライヤーで乾かす
 ⑤色つけ(顔彩)
 ⑤膠を一部に塗る(水で薄めたもの)
 ⑥金の砂子と色はくを撒く(筒状の道具を使う)
 ⑦ドライヤーで乾かす
 ⑧目を描く(金色のクレヨン)
 ⑨墨で眼の玉を入れる
「花を描く」ではこよりを使うなどを紹介しています。
実際に描きながら、注意すること、コツも言ってくれます。

その場に15分いましたが、ビデオはもっと続くようでした。
席は21席用意されていましたが、満席で、立ち見が12人いました。
「これで完成です」の場面では、拍手する人もいて、熱心なファンの方のようでした。

入口に安倍晋三さんの大きな花があるのは、奥様が片岡さんに絵を習っているからと聞きました。他にも40以上のお花が届いていて、芸能人の美術展らしいです。

作品は金箔に竹を描いた今回のテーマ作品の他に、魚や花の絵、書、焼き物、着物もあり、作品数も多かったです。私が一番いいと思ったのは、「おはじき」という小作品です。片岡さんは絵を描き始めて13年になるのだそうです。

出口には画集、絵葉書、日本酒までいろいろなグッズを売っていて、片岡鶴太郎『鶴太郎琉 墨彩画入門』角川書店を買いました。