昨日の朝日新聞の経済欄に、「遺伝子データベース 商用化へ」という記事が載っていました。
遺伝子のデータベースを商用化することで、患者個人に応じた「オーダーメイド医療」の普及を促すというものです。
遺伝子情報には、核DNAとミトコンドリアDNAがあります。
核DNAは、父親、母親の両方の遺伝情報が子供に伝わります。
ミトコンドリアDNAは母親からのみ伝わります。
これは、ミトコンドリアDNAは精子内では微量しかないうえに、核DNAを受精で届けた後は、しっぽが切られてしまうときにしっぽと共に消えてしまうからだそうです。
ミトコンドリアDNAについては、ブライアン・サイクス『イヴの七人の娘たち』ソニーマガジン、2001年に詳しく載っています。
母親のみということで、母系をたどって祖先が分かるのです。
この本は、ヨーロッパ人はもとをだどると7人の女性に行きつくという研究成果を報告したものです。
著者自身も、7人の中のタラの子孫であることが分かりました。
ミトコンドリアDNAは、核DNAに比べ、100倍も多く存在するため、研究材料を取り出すのが容易です。
著者が、スイスで1991年に発見されたアイスマンを研究したときも利用され、このアイスマンのDNAが、現代ヨーロッパ人を全く同じであったことが分かりました。
この「ミトコンドリアDNAと人類の進化」は、当時人類学が論争していた、人の起源はアフリカにあり、そこから広がったとする「出アフリカ」説と、各地域のホモ・エレクトスがそのまま進化したとする「多地域並行進化説」に、「出アフリカ」説が正しいとする結果を示します。
ミトコンドリアDNAを使うと、全人類が「ミトコンドリア・イヴ」と呼ばれる1人の女性にまでたどることができるのです。
「7人の娘」や「ミトコンドリア・イヴ」になるには、娘を2人以上持つことだけが条件です。
ということは、よく女系と言われる、女性ばかりが産まれやすい家系の女性は、自分のミトコンドリアDNAを子孫に伝える機会が多いと考えられます。
子供を持っても、男性ばかりだと、自分のミトコンドリアDNAはそこで途絶えてしまうからです。
女系といえば、サザエさんの作者の長谷川町子さんは女系でした。
ご自身も3人姉妹で、『サザエさん』の出版社が姉妹社なのも、姉妹で経営したからです。
『サザエさん』を描いているときも女ばかり7人で暮らしていました。
長谷川さんの母親、お姉さん、町子さん、妹、妹の2人の娘、お手伝いさんです。
飼っている犬3匹、猫2匹もメスだったそうです(『長谷川町子全集 別巻』朝日新聞社、1998年)。
遺伝子のデータベースを商用化することで、患者個人に応じた「オーダーメイド医療」の普及を促すというものです。
遺伝子情報には、核DNAとミトコンドリアDNAがあります。
核DNAは、父親、母親の両方の遺伝情報が子供に伝わります。
ミトコンドリアDNAは母親からのみ伝わります。
これは、ミトコンドリアDNAは精子内では微量しかないうえに、核DNAを受精で届けた後は、しっぽが切られてしまうときにしっぽと共に消えてしまうからだそうです。
ミトコンドリアDNAについては、ブライアン・サイクス『イヴの七人の娘たち』ソニーマガジン、2001年に詳しく載っています。
母親のみということで、母系をたどって祖先が分かるのです。
この本は、ヨーロッパ人はもとをだどると7人の女性に行きつくという研究成果を報告したものです。
著者自身も、7人の中のタラの子孫であることが分かりました。
ミトコンドリアDNAは、核DNAに比べ、100倍も多く存在するため、研究材料を取り出すのが容易です。
著者が、スイスで1991年に発見されたアイスマンを研究したときも利用され、このアイスマンのDNAが、現代ヨーロッパ人を全く同じであったことが分かりました。
この「ミトコンドリアDNAと人類の進化」は、当時人類学が論争していた、人の起源はアフリカにあり、そこから広がったとする「出アフリカ」説と、各地域のホモ・エレクトスがそのまま進化したとする「多地域並行進化説」に、「出アフリカ」説が正しいとする結果を示します。
ミトコンドリアDNAを使うと、全人類が「ミトコンドリア・イヴ」と呼ばれる1人の女性にまでたどることができるのです。
「7人の娘」や「ミトコンドリア・イヴ」になるには、娘を2人以上持つことだけが条件です。
ということは、よく女系と言われる、女性ばかりが産まれやすい家系の女性は、自分のミトコンドリアDNAを子孫に伝える機会が多いと考えられます。
子供を持っても、男性ばかりだと、自分のミトコンドリアDNAはそこで途絶えてしまうからです。
女系といえば、サザエさんの作者の長谷川町子さんは女系でした。
ご自身も3人姉妹で、『サザエさん』の出版社が姉妹社なのも、姉妹で経営したからです。
『サザエさん』を描いているときも女ばかり7人で暮らしていました。
長谷川さんの母親、お姉さん、町子さん、妹、妹の2人の娘、お手伝いさんです。
飼っている犬3匹、猫2匹もメスだったそうです(『長谷川町子全集 別巻』朝日新聞社、1998年)。