ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

訃報が続いた6月

2014-06-30 08:18:55 | ソウル、ファンク
BOBBY WOMACK / BACK TO MY ROOTS

この6月は何故か大物アーティストの訃報が続きました。ホレス・シルバー、ジェリー・ゴフィン、ジミー・スコット。あ~、なんか訃報が多いな…、と思っているところに今度はティーニー・ホッジス。そしてつい先日は、あのラスト・ソウル・マンことボビー・ウーマックまで。ボビー・ウーマックはここ数年、闘病中の中、来日も果たし、私も2年前にビルボードライヴでそのステージを観ることができました。年齢を重ね衰えたりと言えど、多彩な声音を操るその歌声は強力にディープでしたし、その歌唱が醸す彼ならではのソウル感は感動ものでした。私にとってはそれが唯一の生ボビー・ウーマックとなってしまいました。



LITTLE JIMMY SCOTT / EVERYBODY'S SOMEBODY'S FOOL
6月12日、ジャズ・シンガーのジミー・スコットがネバダ州ラスベガスの自宅にて亡くなられました。88歳。遺伝性のホルモン疾患により変声期を迎えなかったことが奇跡の歌声となり、その美しさはまさにジャズ界の至宝でした。ですが90年代に復帰を果たすまでは、20年以上に渡り不遇の時代を過ごしたことでも知られます。写真は彼がまだリトル・ジミー・スコットと呼ばれたデビュー当時の録音を集めたもので、1950年にライオネル・ハンプトン楽団の一員として録音した「Everybody's Somebody's Fool」始め、その素晴らしさは60年以上たった今でも色褪せません。



HORACE SILVER QUINTET / THAT HEALIN' FEELIN'
6月18日、ホレス・シルバーがニューヨーク州ニューロシェル市の自宅で亡くなられました。享年85歳。50~60年代のモダン・ジャズを牽引し、ファンキー・ジャズの第一人者でもあったジャズ・ジャイアント。写真は70年録音のソウル・ジャズ作品。ホレス・シルバーの弾くソウルフルなエレピが格好良い!



VA / GOFFIN AND KING SONGBOOK
6月19日、キャロル・キングとのコンビでブリルビルディング系ライターの代表格として知られるジェリー・ゴフィンがロサンゼルスの自宅で亡くなられました。75歳だったそうです。60年代にゴフィン&キングとして「The Locomotion」「Will You Still Love Me Tomorrow」「Pleasant Valley Sunday」など、数えきれない程の名曲を産み落としました。また、70年代にはマスルショールズヘ赴き、ブルースやカントリーなど南部に傾倒したソロ作も製作し隠れスワンプ名盤となっています。写真はゴフィン&キング作の名曲コンピ。



CAT P0WER / THE GREATEST
6月22日、メンフィスはハイ・レコードの屋台骨ハイ・リズムのギター奏者メイボン・ティーニー・ホッジスが、ダラスの病院で亡くなられました。肺気腫だったそうです。享年68歳。兄のリロイ・ホッジス(b)、弟のチャールズ・ホッジス(org) そしてハワード・グライムス(ds)、アーチー・ターナー(p)達と組んだリズムセクションはハイ・リズムと呼ばれ、アル・グリーン、オーティス・クレイ等のバックを務めるなど、メンフィス・ソウルのリズムを担いました。現在でも彼らこそメンフィスの音として親しまれ、例えばキャット・パワーがメンフィスに赴きティーニー&リロイのホッジス兄弟達と録音した06年の名盤「THE GREATEST」(写真)も記憶に新しいです。



BOBBY WOMACK / THE BRAVEST MAN IN THE UNIVERSE
6月27日、70歳で亡くなられたボビー・ウーマック。60年代初頭、サム・クックのレーベル「SAR Records」からデビューして以来、音楽史に凛然たる足跡を残してきた伝説的ソウルマン。シンガーとしてはもちろん、ギタリスト、ソングライターとしても活躍してきました。ローリング・ストーンズとの親交も知られますね。また近年はゴリラズのアルバムへ客演したり、デーモン・アルバーンとリチャード・ラッセルの共同プロデュースのもと意欲的な新作「 THE BRAVEST MAN IN THE UNIVERSE」(写真)をリリースしたり、存在感を発揮していました。



トップの写真はボビー・ウーマックの1999年作「BACK TO MY ROOTS」。ゴスペル・グループからキャリアを始めたボビー・ウーマックが、まさにタイトル通りルーツに帰ったゴスペル作。


亡くなられたレジェンドの皆様、安らかに。