ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

JOE LOUIS WALKER / HORNET'S NEST

2014-04-15 23:56:17 | ブルース
JOE LOUIS WALKER / HORNET'S NEST

ジョー・ルイス・ウォーカーが来日します。しかも大阪開催の「INTERNATIONAL JAZZ DAY」で。このコンサートは凄いですよね。こんな豪華なコンサートが日本で開催されるなんて! しかもこのメンバーの中にジョー・ルイス・ウォーカーが含まれているという事実にも驚きです。


4月30日に開催される「INTERNATIONAL JAZZ DAY GLOBAL CONCERT 2014 OSAKA 」。これはユネスコが「INTERNATIONAL JAZZ DAY」と定めた4月30日に開催される国際的なジャズ・イベントで、第1回目はパリ、ニューオーリンズ、ニューヨークを舞台に開催され、今年で3年目となるそうです。その今年は大阪がホスト・シティに選ばれ、大阪城西の丸庭園でハービー・ハンコックがオールスターバンドを指揮するそうです。

その出演者があり得ない程に豪華!! ハービー・ハンコックを筆頭に、秋吉敏子 (pf)、日野皓正 (tp)、ロイ・ハーグローブ (tp)、ケニー・ギャレット (sax)、ウェイン・ショーター (sax)、コートニー・パイン (sax)、マーカス・ミラー (b)、エスペランサ・スポルディング (b)、アール・クルー (gt)、ジョン・スコフィールド (gt)、ディー・ディー・ブリッジウォーター (vo)、ロバータ・ガンバリーニ (vo)、レイラ・ハサウェイ (vo)、グレゴリー・ポーター (vo)、テリ・リン・キャリントン (ds)、T.S.モンク (ds)、シーラ・E (per)、ピート・エスコヴェード (per)、などなど。これ程までに、ジャズ及びその周辺の大物ミュージシャンが、ここ日本で、一つのステージに立つと言うのは、未だかつて無かったのではないでしょうか? しかもこれ、たった2時間(予定)のコンサートですからね。もう豪華を通り越してなんか、勿体ないですよね…。東京でやってくれてら迷わず行くんですけどね~。

で、この出演ミュージシャンの中に、何故か2人のブルースマンの名があるんです。その一人がジョー・ルイス・ウォーカー (gt)なのです。ちなみにもう一人はクリス・トーマス・キング (gt)。はじめに出演者一覧を見たときは正直、目を疑いましたけどね。どの程度フィーチャーされるのか?とても気になります。


詳しい出演アーティストなどの詳細は大阪観光局のオフィシャル・サイトへ→http://www.ijd2014-osaka.jp/index.html
こちらは本家「INTERNATIONAL JAZZ DAY」のオフィシャルサイト→http://jazzday.com/




さて、写真は今年リリースされたジョー・ルイス・ウォーカーの最新作「HORNET'S NEST」。アリゲーター移籍後2作目となります。60歳を超えた辺りからますます脂が乗ってきた感のあるジョー・ルイス・ウォーカー。今作でも勢い溢れる溌剌としたブルースを聴かせてくれています。プロデューサーはバディ・ガイの近作等で手腕を振るうトム・ハンブリッジ。バディ・ガイ作品でもロック的なエネルギーをサウンドに込めるのに秀でた音作りをしているトム・ハンブリッジですが、こちらでもエッジの立ったサウンドで、ヴァラエティ豊かな曲調を見事に一本筋の通った作品に纏め上げています。バック・メンバーはそのトム・ハンブリッジ(ds)を中心に、ロブ・マクニーリー(g)、トミー・マクドナルド(b)、リース・ワイナンズ(piano,organ)という布陣。これは前作「HELLFIRE」を引き継いだメンバーなので、今作は「HELLFIRE」の延長上を一歩押し進めた作品と言えるかもしれません。

何はともあれ、ジョー・ルイス・ウォーカーのギターがいい具合に突き抜けていて気持ち良い! さらにちょっぴり塩辛さを感じさせながらも溌剌とした歌声がまた良い! 1曲目はブラック・ファンク的なリフからして強力なロッキン・ブルース「Hornet's Nest」、続いてマスルショールズ・ホーン・セクションが参加した南部ソウル的な「All I Wanted To Do」、本格派のスロー・ブルース「As The Sun Goes Down」、重心の低いシャッフル・ナンバー「Stick A Fork In Me」、ゴスペル的なコーラスが印象的な「Don't Let Go」、泥臭いリフとスライド・ギターが冴える「Love Enough」、後半の荒れ狂うブギのリズムに思わず興奮の「Ramblin' Soul」などなど。ローリング・ストーンズ「Ride On, Baby」のカヴァーなんかはポップな仕上がりなれど、レア過ぎる選曲が面白い。ラストを締める「Keep The Faith」のゴスペルな味わいがまた滲みます。

それにしてもこの勢い!これはなかなかの快作ですよ。ピュアなブルースを期待すると、少々モダン過ぎる印象をうけるかもしれませんが、私は大好きです。こういうのをコンテンポラリー・ブルースって言うんですか?よく分かりませんが、ロックだったり、ポップだったり、ソウルフルだったりゴスペル的だったりっていうある種のミクスチャー感はやはり現代的ではありますよね。ですがブルースとしてのゴツゴツとした質感は失わずに、あくまでもブルース・アーティストらしく、良い意味での不器用さと言うか、我がままな“俺流”を濃厚に感じさせてくれるところが、どうにもこうにも頼もしいところ。


この新作をリリースした勢いで、ぜひ単独来日公演も実現して頂きたいところですが、どうなんでしょうね?