昨年2013年も、数々の偉大なるミュージシャン達が天に召されました。ボビー "ブルー" ブランド、マジック・スリム、ジョージ・ジャクソン、アルヴィン・リー、J・J・ケイル、ルー・リード…。ここに振り返ってみたいと思います。
THE TEMPTATIONS / ALL DIRECTIONS
2013年2月18日 - デーモン・ハリス
2013年2月27日 - リチャード・ストリート
同時期のテンプテーションズで活躍していた2人のシンガー。デイモン・ハリスは62歳でした。前立腺癌だったそうです。そしてその数日後にリチャード・ストリートまで。享年70歳。肺血栓を患っていたそうです。2人は70年代初頭にテンプスへ加入し、サイケ時代の黄金期をその美声で彩りました。写真は名曲「Papa Was a Rollin' Stone」を収録した72年の「ALL DIRECTIONS」。
MAGIC SLIM & THE TEARDROPS / GRAND SLAM
2013年2月21日 - マジック・スリム
シカゴ・ブルースの重鎮マジック・スリム。フィラデルフィアの病院にて、享年75歳。09年に青森のブルース・フェスのため来日してたんですが、私は流石に青森までは観に行けませんでした…。写真は傑作の誉れ高い82年作「GRAND SLAM」。
THE STAPLE SINGERS / BE ALTITUDE: RESPECT YOURSELF
2013年2月21日 - クレオサ・ステイプルズ
ステイプル・シンガーズの長女、クレオサ・ステイプルズ。シカゴの自宅にて、78歳でした。10年ほど前からアルツハイマー病を患っていたそうです。ファンキーなSTAX時代も最高ですが、写真のアルバムはそれ以前、ヴィー・ジェイ時代の音源集。彼ら独自のゴスペル・スタイルを確立していたこの時代も素晴らしい。50年代後半から60年代始めの録音です。
TEN YEARS AFTER / UNDEAD
2013年3月6日 - アルヴィン・リー
元テン・イヤーズ・アフターのギタリスト、アルヴィン・リー。手術後の合併症とのことです。享年68歳。ウッドストックでの「I'm Going Home」は伝説ですね。彼の荒々しいスウィング感を持った速弾きは唯一無比でした。また2012年にリリースされたソロ・アルバムも好評だっただけに、とても残念です。写真は彼の勢い溢れるギターがたっぷり楽しめるテン・イヤーズ・アフターのライヴ盤。
SPINNERS / YESTERDAY, TODAY & TOMORROW
2013年3月16日 - ボビー・スミス
モータウンからフィリー・ソウルで活躍したスピナーズで、リード・ヴォーカルもとっていたボビー・スミス。インフルエンザと肺炎の合併症のためとのことですが、肺がんも患っていたそうです。享年76歳。写真のアルバムはアトランティックからリリースされたフィリー時代の作品。真ん中に写っているのがボビー・スミスです。
JIMMY DAWKINS / ALL FOR BUSINESS
2013年4月10日 - ジミー・ドーキンス
シカゴ・ブルース・ギタリストのジミー・ドーキンス。シカゴの自宅にて、享年76歳。写真はデルマークからの2nd作で71年の録音。これぞシカゴ!な黒光りしたブルース・ギターが格好良い! オーティス・ラッシュも全面参加。そう、オーティス・ラッシュと言えば、オーティスが75年の「第3回ブルース・フェスティバル」で初来日した際に、そのバック・メンバーとしてジミー・ドーキンスも来日していたそうですね。凄い時代でした…。
MFSB / MFSB
2013年4月13日 - ヴィンセント・モンタナ
フィリー・ソウルを彩ったヴィブラフォン/パーカッション奏者ヴィンセント・モンタナ。享年85歳。フィリー・ソウルの代名詞フィラデルフィア・インターナショナル・レコーズを支えた職人集団MFSBのオリジナル・メンバーであり、その後のサルソウル・オーケストラにおける中心人物として活躍しました。演奏のみならずアレンジャー及びプロデューサーとしても偉大でした。90年代に入ってからのルイ・ヴェガ&ケニー・ドープとのコラボレーションも印象的でしたね。写真はMFSBの1st作。73年(72年?)のリリース。
GEORGE JACKSON / DON'T COUNT ME OUT: THE FAME RECORDINGS VOLUME 1
2013年4月14日 - ジョージ・ジャクソン
サザン・ソウル界に数々の名曲を残したソング・ライター/シンガーのジョージ・ジャクソン。ミシシッピ州の自宅にて、68歳でした。癌を患っていたそうです。最近再評価著しかっただけに残念でなりません。写真はその再評価に拍車をかけたFAME音源集。ソング・ライターとしてのいわゆるデモ音源な訳ですが、これが素晴らしい味わい! あらためて彼の作る楽曲の良さを再認識させられると同時に、柔らかい歌声が胸に沁みます。
RICHIE HAVENS / THE MILLENNIUM COLLECTION
2013年4月22日 - リッチー・ヘヴンス
ウッドストック・フェスのオープニングを飾った名演で知られる黒人フォーク・シンガーのリッチー・ヘヴンス。ニュージャージー州の自宅で心臓発作のため亡くなられました。享年72歳。深くスピリチュアルな歌声と、パーカッシヴに弾くアコースティック・ギターが印象的でした。写真はベスト盤。残念ながらウッドストックでの「Freedom」は入ってませんが、オリジナル曲の他、ボブ・ディランの「Just Like A Woman」やジョン・レノンの「Strawberry Fields Forever」などのカヴァーも秀逸。
BOB BROZMAN & JEF LANG WITH ANGUS DIGGS / ROLLING THROUGH THIS WORLD
2013年4月23日 - ボブ・ブロズマン
リゾネーター・ギターの魔術師、ボブ・ブロズマン。カリフォルニアの自宅にて、59歳。まだ若かったですね…。一度生で見てみたいと思っていたのですが、なんと死の直前、昨年の4月13~20日の日程で来日ツアーをしていたそうなんです。知りませんでした…。おそらくそれが最後のライヴになったと思われますが、とても素晴らしいステージだったようです。写真はオーストラリアが誇るジェフ・ラングとの魔術師共演盤。88年作。
GEORGE JONES / SEVEN CLASSIC ALBUMS PLUS BONUS TRACKS & SINGLES
2013年4月26日 - ジョージ・ジョーンズ
カントリー界の巨人ジョージ・ジョーンズ。ナッシュヴィルの大学病院にて、81歳。その数日前から発熱と血圧異常により入院していたそうです。写真のアルバムは50年代後半から60年代初頭にリリースされたジョージ・ジョーンズのアルバム7枚分+ボーナス・トラックを詰め込んだCD4枚組。
THE DELLS / ON THEIR CORNER THE BEST OF THE DELLS
2013年5月29日 - マーヴィン・ジュニア
シカゴが誇るヴォーカル・グループ、デルズ、そのリード・ヴォーカリストだったマーヴィン・ジュニア。シカゴの自宅にて、享年77歳。 写真は60年代前半から70年代後半のカデット(チェス)時代を纏めたベスト盤。マーヴィンのタフなバリトン・ヴォイスに痺れます。コーラス・グループ界屈指のヴァリトン・シンガーでした。
BOBBY BLAND / THE VOICE
2013年6月23日 - ボビー・ブランド
B.B.キングと並び賞されるブルース界の巨人ボビー "ブルー" ブランド。この年の3月に体調をくずし療養していたそうですが、6月23日、メンフィスの自宅にて家族に看取られながら亡くなられたそうです。享年83歳。世界中のブルース・ファンが彼の死を悼み悲しんだことでしょう。何度か来日もされていますが、私は一度も観たことがないので悔やまれます。写真は彼の全盛期デューク録音から、「I'll Take Care Of You」、「I Pity The Fool」などヒットを連発していた59年~69年の楽曲を纏めたベスト盤。
T-MODEL FORD / THE LADIES MAN
2013年7月16日 - T・モデル・フォード
90年代、RLバーンサイドやジュニア・キンブロウを世に出したファットポッサムが、まるで轟音ブルースの最終兵器のように送り出した怪物T・モデル・フォード。あの衝撃はいまだに忘れられません。来日公演ではどんなに荒くれた爺さんが出てくるのかと思いきや、どこにでもいそうな田舎のおじさん風情で、それががかえって印象的でした。近年も素晴らしい作品をリリースしていただけに残念でなりません。写真は2010年リリースのアコースティック・ブルース作。まさに最後のミシシッピブルース!
JJ CALE & ERIC CLAPTON / THE ROAD TO ESCONDIDO
2013年7月26日 - J・J・ケイル
エリック・クラプトンで有名な「Cocaine」や「After Midnight」の作者としても知られ、そのクラプトンを始め多くのアーティストに影響を与えた、オクラホマ出身のシンガー・ソング・ライター、 J・J・ケイル。 カリフォルニア 州ラホヤの病院で心臓発作のため亡くなられました。74歳でした。写真は2006年にクラプトンと共作で発表し、グラミー賞も受賞した「THE ROAD TO ESCONDIDO」。
AL JOHNSON / PEACEFUL
2013年10月26日 - アル・ジョンソン
「Court Of Love」などのヒットを出したワシントンDCのコーラス・グループ、ユニフィクスのリード・シンガーを務めていたアル・ジョンソン。ソロ転向後も「BACK FOR MORE」等の名盤を残し、テリー・ハフの「THE LONLY ONE」などプロデューサーとしても手腕を発揮しました。2013年10月26日、地元ワシントンDCで死去。65歳だったそうです。写真は彼の1stソロ作「PEACEFUL」。アダルト・オリエンテッドな極上ソウルを聴かせてくれます。ギターにミーターズのレオ・ノッセンテリが参加。
LOW REED / NEW YORK
2013年10月27日 - ルー・リード
説明不要のロック界の巨人。肝臓疾患にて、享年71歳。
CHICK WILLIS / THE DON OF THE BLUES
2013年12月7日 - チック・ウィリス
愛すべき下ネタ曲「Stoop Down Baby」などでマニアックな人気を誇るチック・ウィリス。癌のために亡くなられました。79歳でした。ちなみに「It's Too Late」などのヒットで知られるチャック・ウィリスはチックの従兄弟です。写真は08年の作品「THE DON OF THE BLUES」。ホーン隊も入ったアダルトなブールス・ソウルなサウンドなれど、濃厚に漂うローカル臭が良い案配です。
2013年12月16日 - レイ・プライス
50年代から活躍し、「Crazy Arms」「City Lights」「For the Good Times」など数多のヒット曲を持つ、カントリー界を代表する巨人の一人、レイ・プライス。膵臓がんのためテキサスの自宅にて。享年87歳。写真はウィリー・ネルソン、マール・ハガード、そしてレイ・プライスという、カントリー・レジェンド3人による共演ライヴ盤。07年作。ゲストにクリス・クリストファーソンも参加。
他にも、ハンブルグ時代のビートルズと活動を共にしたトニー・シェリダン、ドアーズのキーボード奏者レイ・マンザレク、ザ・ポーグスのギタリストだったフィル・シェヴロン、レゲエ・シンガーのジュニア・マーヴィン、ビリー・ジョエル等を手掛けた名プロデューサーとして知られるフィル・ラモーン、ニューヨークのセッション・ギタリストの筆頭ヒュー・マクラッケン、など。そしてジャズ界では、ジョージ・デューク、チコ・ハミルトン、ジム・ホールと言った大物達が。そして日本からも、大瀧詠一、山口冨士夫…。
こうして振り返ると、私が多少でも思い入れのある方達だけとは言え、2013年も本当に沢山のアーティストが亡くなられましたね。仕方の無いことではありますが、残念でなりません。
みなさま、安らかに。
2012年 天に召された偉人達
2011年 天に召された偉人達
2010年 天に召された偉人達
THE TEMPTATIONS / ALL DIRECTIONS
2013年2月18日 - デーモン・ハリス
2013年2月27日 - リチャード・ストリート
同時期のテンプテーションズで活躍していた2人のシンガー。デイモン・ハリスは62歳でした。前立腺癌だったそうです。そしてその数日後にリチャード・ストリートまで。享年70歳。肺血栓を患っていたそうです。2人は70年代初頭にテンプスへ加入し、サイケ時代の黄金期をその美声で彩りました。写真は名曲「Papa Was a Rollin' Stone」を収録した72年の「ALL DIRECTIONS」。
MAGIC SLIM & THE TEARDROPS / GRAND SLAM
2013年2月21日 - マジック・スリム
シカゴ・ブルースの重鎮マジック・スリム。フィラデルフィアの病院にて、享年75歳。09年に青森のブルース・フェスのため来日してたんですが、私は流石に青森までは観に行けませんでした…。写真は傑作の誉れ高い82年作「GRAND SLAM」。
THE STAPLE SINGERS / BE ALTITUDE: RESPECT YOURSELF
2013年2月21日 - クレオサ・ステイプルズ
ステイプル・シンガーズの長女、クレオサ・ステイプルズ。シカゴの自宅にて、78歳でした。10年ほど前からアルツハイマー病を患っていたそうです。ファンキーなSTAX時代も最高ですが、写真のアルバムはそれ以前、ヴィー・ジェイ時代の音源集。彼ら独自のゴスペル・スタイルを確立していたこの時代も素晴らしい。50年代後半から60年代始めの録音です。
TEN YEARS AFTER / UNDEAD
2013年3月6日 - アルヴィン・リー
元テン・イヤーズ・アフターのギタリスト、アルヴィン・リー。手術後の合併症とのことです。享年68歳。ウッドストックでの「I'm Going Home」は伝説ですね。彼の荒々しいスウィング感を持った速弾きは唯一無比でした。また2012年にリリースされたソロ・アルバムも好評だっただけに、とても残念です。写真は彼の勢い溢れるギターがたっぷり楽しめるテン・イヤーズ・アフターのライヴ盤。
SPINNERS / YESTERDAY, TODAY & TOMORROW
2013年3月16日 - ボビー・スミス
モータウンからフィリー・ソウルで活躍したスピナーズで、リード・ヴォーカルもとっていたボビー・スミス。インフルエンザと肺炎の合併症のためとのことですが、肺がんも患っていたそうです。享年76歳。写真のアルバムはアトランティックからリリースされたフィリー時代の作品。真ん中に写っているのがボビー・スミスです。
JIMMY DAWKINS / ALL FOR BUSINESS
2013年4月10日 - ジミー・ドーキンス
シカゴ・ブルース・ギタリストのジミー・ドーキンス。シカゴの自宅にて、享年76歳。写真はデルマークからの2nd作で71年の録音。これぞシカゴ!な黒光りしたブルース・ギターが格好良い! オーティス・ラッシュも全面参加。そう、オーティス・ラッシュと言えば、オーティスが75年の「第3回ブルース・フェスティバル」で初来日した際に、そのバック・メンバーとしてジミー・ドーキンスも来日していたそうですね。凄い時代でした…。
MFSB / MFSB
2013年4月13日 - ヴィンセント・モンタナ
フィリー・ソウルを彩ったヴィブラフォン/パーカッション奏者ヴィンセント・モンタナ。享年85歳。フィリー・ソウルの代名詞フィラデルフィア・インターナショナル・レコーズを支えた職人集団MFSBのオリジナル・メンバーであり、その後のサルソウル・オーケストラにおける中心人物として活躍しました。演奏のみならずアレンジャー及びプロデューサーとしても偉大でした。90年代に入ってからのルイ・ヴェガ&ケニー・ドープとのコラボレーションも印象的でしたね。写真はMFSBの1st作。73年(72年?)のリリース。
GEORGE JACKSON / DON'T COUNT ME OUT: THE FAME RECORDINGS VOLUME 1
2013年4月14日 - ジョージ・ジャクソン
サザン・ソウル界に数々の名曲を残したソング・ライター/シンガーのジョージ・ジャクソン。ミシシッピ州の自宅にて、68歳でした。癌を患っていたそうです。最近再評価著しかっただけに残念でなりません。写真はその再評価に拍車をかけたFAME音源集。ソング・ライターとしてのいわゆるデモ音源な訳ですが、これが素晴らしい味わい! あらためて彼の作る楽曲の良さを再認識させられると同時に、柔らかい歌声が胸に沁みます。
RICHIE HAVENS / THE MILLENNIUM COLLECTION
2013年4月22日 - リッチー・ヘヴンス
ウッドストック・フェスのオープニングを飾った名演で知られる黒人フォーク・シンガーのリッチー・ヘヴンス。ニュージャージー州の自宅で心臓発作のため亡くなられました。享年72歳。深くスピリチュアルな歌声と、パーカッシヴに弾くアコースティック・ギターが印象的でした。写真はベスト盤。残念ながらウッドストックでの「Freedom」は入ってませんが、オリジナル曲の他、ボブ・ディランの「Just Like A Woman」やジョン・レノンの「Strawberry Fields Forever」などのカヴァーも秀逸。
BOB BROZMAN & JEF LANG WITH ANGUS DIGGS / ROLLING THROUGH THIS WORLD
2013年4月23日 - ボブ・ブロズマン
リゾネーター・ギターの魔術師、ボブ・ブロズマン。カリフォルニアの自宅にて、59歳。まだ若かったですね…。一度生で見てみたいと思っていたのですが、なんと死の直前、昨年の4月13~20日の日程で来日ツアーをしていたそうなんです。知りませんでした…。おそらくそれが最後のライヴになったと思われますが、とても素晴らしいステージだったようです。写真はオーストラリアが誇るジェフ・ラングとの魔術師共演盤。88年作。
GEORGE JONES / SEVEN CLASSIC ALBUMS PLUS BONUS TRACKS & SINGLES
2013年4月26日 - ジョージ・ジョーンズ
カントリー界の巨人ジョージ・ジョーンズ。ナッシュヴィルの大学病院にて、81歳。その数日前から発熱と血圧異常により入院していたそうです。写真のアルバムは50年代後半から60年代初頭にリリースされたジョージ・ジョーンズのアルバム7枚分+ボーナス・トラックを詰め込んだCD4枚組。
THE DELLS / ON THEIR CORNER THE BEST OF THE DELLS
2013年5月29日 - マーヴィン・ジュニア
シカゴが誇るヴォーカル・グループ、デルズ、そのリード・ヴォーカリストだったマーヴィン・ジュニア。シカゴの自宅にて、享年77歳。 写真は60年代前半から70年代後半のカデット(チェス)時代を纏めたベスト盤。マーヴィンのタフなバリトン・ヴォイスに痺れます。コーラス・グループ界屈指のヴァリトン・シンガーでした。
BOBBY BLAND / THE VOICE
2013年6月23日 - ボビー・ブランド
B.B.キングと並び賞されるブルース界の巨人ボビー "ブルー" ブランド。この年の3月に体調をくずし療養していたそうですが、6月23日、メンフィスの自宅にて家族に看取られながら亡くなられたそうです。享年83歳。世界中のブルース・ファンが彼の死を悼み悲しんだことでしょう。何度か来日もされていますが、私は一度も観たことがないので悔やまれます。写真は彼の全盛期デューク録音から、「I'll Take Care Of You」、「I Pity The Fool」などヒットを連発していた59年~69年の楽曲を纏めたベスト盤。
T-MODEL FORD / THE LADIES MAN
2013年7月16日 - T・モデル・フォード
90年代、RLバーンサイドやジュニア・キンブロウを世に出したファットポッサムが、まるで轟音ブルースの最終兵器のように送り出した怪物T・モデル・フォード。あの衝撃はいまだに忘れられません。来日公演ではどんなに荒くれた爺さんが出てくるのかと思いきや、どこにでもいそうな田舎のおじさん風情で、それががかえって印象的でした。近年も素晴らしい作品をリリースしていただけに残念でなりません。写真は2010年リリースのアコースティック・ブルース作。まさに最後のミシシッピブルース!
JJ CALE & ERIC CLAPTON / THE ROAD TO ESCONDIDO
2013年7月26日 - J・J・ケイル
エリック・クラプトンで有名な「Cocaine」や「After Midnight」の作者としても知られ、そのクラプトンを始め多くのアーティストに影響を与えた、オクラホマ出身のシンガー・ソング・ライター、 J・J・ケイル。 カリフォルニア 州ラホヤの病院で心臓発作のため亡くなられました。74歳でした。写真は2006年にクラプトンと共作で発表し、グラミー賞も受賞した「THE ROAD TO ESCONDIDO」。
AL JOHNSON / PEACEFUL
2013年10月26日 - アル・ジョンソン
「Court Of Love」などのヒットを出したワシントンDCのコーラス・グループ、ユニフィクスのリード・シンガーを務めていたアル・ジョンソン。ソロ転向後も「BACK FOR MORE」等の名盤を残し、テリー・ハフの「THE LONLY ONE」などプロデューサーとしても手腕を発揮しました。2013年10月26日、地元ワシントンDCで死去。65歳だったそうです。写真は彼の1stソロ作「PEACEFUL」。アダルト・オリエンテッドな極上ソウルを聴かせてくれます。ギターにミーターズのレオ・ノッセンテリが参加。
LOW REED / NEW YORK
2013年10月27日 - ルー・リード
説明不要のロック界の巨人。肝臓疾患にて、享年71歳。
CHICK WILLIS / THE DON OF THE BLUES
2013年12月7日 - チック・ウィリス
愛すべき下ネタ曲「Stoop Down Baby」などでマニアックな人気を誇るチック・ウィリス。癌のために亡くなられました。79歳でした。ちなみに「It's Too Late」などのヒットで知られるチャック・ウィリスはチックの従兄弟です。写真は08年の作品「THE DON OF THE BLUES」。ホーン隊も入ったアダルトなブールス・ソウルなサウンドなれど、濃厚に漂うローカル臭が良い案配です。
2013年12月16日 - レイ・プライス
50年代から活躍し、「Crazy Arms」「City Lights」「For the Good Times」など数多のヒット曲を持つ、カントリー界を代表する巨人の一人、レイ・プライス。膵臓がんのためテキサスの自宅にて。享年87歳。写真はウィリー・ネルソン、マール・ハガード、そしてレイ・プライスという、カントリー・レジェンド3人による共演ライヴ盤。07年作。ゲストにクリス・クリストファーソンも参加。
他にも、ハンブルグ時代のビートルズと活動を共にしたトニー・シェリダン、ドアーズのキーボード奏者レイ・マンザレク、ザ・ポーグスのギタリストだったフィル・シェヴロン、レゲエ・シンガーのジュニア・マーヴィン、ビリー・ジョエル等を手掛けた名プロデューサーとして知られるフィル・ラモーン、ニューヨークのセッション・ギタリストの筆頭ヒュー・マクラッケン、など。そしてジャズ界では、ジョージ・デューク、チコ・ハミルトン、ジム・ホールと言った大物達が。そして日本からも、大瀧詠一、山口冨士夫…。
こうして振り返ると、私が多少でも思い入れのある方達だけとは言え、2013年も本当に沢山のアーティストが亡くなられましたね。仕方の無いことではありますが、残念でなりません。
みなさま、安らかに。
2012年 天に召された偉人達
2011年 天に召された偉人達
2010年 天に召された偉人達