ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ビヨンセ@埼玉スーパー・アリーナ 2Days その2

2009-10-24 17:12:32 | R&B、HIPHOP
ビヨンセのライブレポート続き(パート2)です。

いや~「If I Were A Boy」から「You Oughta Know」の気合いの入りっぷりは凄まじかった。ああいうビヨンセには本当に痺れます!!やっぱり声がね~。声量やその艶はもちろんなのですが、発声の勢いと言うか、空間への突き抜け具合が半端無いんですよ! もちろんリズムに対してのキレも抜群ですし。そして何より濃い!肉体も表情も含めて色んな意味で。そしてステージは中盤へ向け、そんな“濃い”ビヨンセ・ワールドの奥地へと進んでいきます。今日はそんな中盤戦をレポート。

さて、今回のツアーでは、衣装やステージ・セットをフランスの巨匠デザイナー、ティエリー・ミュグレーが手がけていることが話題になっていますね。巨匠と言われてもファッションに全く興味のない私には初めて耳にする名前でしたが、そんなファッション音痴な私にも楽しめる流石な衣装の数々でした。ステージ衣装としての派手な存在感を振りまきながらも、あくまでもビヨンセの美しくも迫力満点の肉体を魅せてくれる、そんな衣装達でした。ステージセットはもっと派手なものかと思っていたのですが、いたってシンプルでしたね。その分、背後の巨大スクリーンの存在感が凄まじい。バンド・メンバーのひな壇や、ビヨンセが登場する中央の階段なんかもそのスクリーンを邪魔しないような透明っぽい素材で作られているようで、そのコンセプトにはシャープに洗練されたイメージを感じさせられましたね。あくまでもビヨンセを中心にしたの歌とダンスと肉体美で魅せるステージ。そんな感じでした。そしてスクリーンは歌っているビヨンセの姿を大映しにするだけではなく、ビヨンセの衣装チェンジによるコンセプトの変化などをイメージ・ビデオによって映し出していきます。

中盤にさしかかったビヨンセのステージ。この辺りから、私の記憶の中のセットリストがかなり曖昧になってきます。しっかり歌ってくれる曲の合間に、イメージ・ビデオだけの曲や、ダンサーが踊るだけの曲、メドレーになっている曲、イントロしか聴かせない曲など、様々な断片が入り込んできます。クリスタル・カイザーのCMでお馴染みの「Sweet Dreams」はビデオのみでしたね。そのビデオ後に登場したビヨンセはジャガー&サイボーグみたいな、常人には意味がよく分からない衣装でしたが、流石にビヨンセは常人じゃ無いので良く似合うんです! 格好良い!意味は分からなくても説得力はあるみたいな。分かってもらえますか?この感じ。

「Diva」、「Radio」と新作からのダンス・ナンバーが続きます。特にちょっとレトロ・ディスコな「Radio」には上がりましたね~。ビヨンセを中心にダンサー達がトライアングルを組むダンスが格好良かったです。で、この曲の直前にはスクリーンに子供時代の幼いビヨンセの映像が流されて盛り上がりましたね。あと「Ego」もやったかな? 「Hello」もやりましたね。もう新作からのオン・パレードな感じですが、この辺りがビヨンセの強いところですよね。

そしてバンド・メンバーの紹介もありました。何故か全員ではありませんでしたが…。そんななかベーシストは結構長いソロを弾きまして、ベースを背中に持ち上げて後ろ引きでマイケル・ジャクソンの「Billie Jean」なんかを弾いたり。でも一番目立ってたのは日本人キーボーディストのリエさんでしょう! ここに日本人の方がいるというのは嬉しいやら、誇らしいやら、羨ましいやら、って感じでなんかドキドキしましたね。ここのソロではエレガント且つバカテクな演奏で沸かしてくれましたが、個人的には何処かのスロー・ナンバーでビヨンセと彼女の鍵盤のみになった時、ビヨンセの自由自在なタメにぴったりと付いて来る心地よいプレイが印象的でした。あとはやっぱり三人の重量級女性コーラス隊ですかね。彼女達がステージ中央に並ぶと、ビヨンセとはまた違う迫力があります。素晴らしいコーラス・ワークでダイアナ・ロスの「Love Hangeover」をどっぷりと聴かせてくれました。

スクリーンにはビヨンセがコインを持っている映像。そのコインにはビヨンセの顔が掘られている。そしてそのコインを投げると、その裏側にはビヨンセの別人格サーシャの顔が…。そのコインを受け取るサーシャ。ビヨンセとサーシャが向かい合わせになる。そんなビデオによってサーシャの存在を匂わせつついよいよBステージへ。アリーナ席の中央近くに設けられたもう一つの小さなステージです。今回のステージ演出で巨大スクリーンと並ぶ大仕掛けがこのBステージ。「Baby Boy」を歌いながら中央の花道をゆっくり歩いていくビヨンセ。ちなみに海外ではここで空を飛んで回転なんかしながら空中散歩よろしくBステージに向かうと言うアクロバティックな大技が用意されたりもしていたようですが、残念ながら埼玉では飛びませんでした。でも花道近くにいた人達にとってはビヨンセが間近を通る訳ですからこっちの方が良かったかも。ここでVIPエリアは阿鼻叫喚の大騒ぎですよ。

私の場合、Bステージというとローリング・ストーンズを思い出すんですが、ストーンズの場合はファン・サービスっぽいレアな曲や、ライヴ映えするバンドっぽい曲が選曲され、いかにも“B”な感じなんですが、ビヨンセはここに大ヒット曲「Irreplaceable 」を持って来る。サマソニで初めてこのBステージでのビヨンセを観た時、まさかの「Irreplaceable」に驚かされました。だってこの曲ハイライトじゃないですか?! Bステージですよ? 小さなステージにはビヨンセ一人しかいない。まるで周りの観客に語りかけるように歌う。その時の笑顔がビヨンセの優しい人柄を物語るようで素敵なんですよ。そしてBステージならではの親密感とこの曲のもつポジティヴなヴァイヴが極上に溶け合います。私はサマソニで本ステージの近くに陣取ったため、Bステージは後ろから見ることになってしまいました。なので今回の単独公演では、18日のVIP席の他、この「Irreplaceable」を正面から観たいがために17日のスタンディング・エリアも買ったのでした。

17日はスタンディング・エリアでぎゅうぎゅうになりながら“To the left, to the left”って歌いましたよ。感無量でしたね。もちろん18日も歌いましたよ。Bステージを後ろから見ると、まるで観客の海の中にビヨンセが浮いてるように見えるんです。さらにビヨンセの向こうには広大なスタンド席がぐるりと取り囲んでる。この壮観なスケール感が堪らないんです! しかもビヨンセはキラキラ輝いてるし。名曲だし。そしてこの曲は最後のタメが良いんです!ライヴならではのタメが! なんかタメにタメる感じで。感動的でした。ちょっと不覚にも目頭が熱くなっちゃいましたね~。

まだまだ興奮のBステージは続くのですが、今日はこの辺で。次回に続く。


上の写真は本ステージ最前列からBステージのビヨンセを撮った写真。今回はプロ仕様の機材の持ち込みは禁止でしたが、それ以外の写真撮影はOKだったみたいです。なのでみんなバシャバシャ撮ってましたね。でも私は写真に集中するのがいやなので、最前列で観た本ステージの写真は撮りませんでした。っていうか気持ちにそんな余裕は無かったのです。でもBステージは遠いいので、落ち着いて数枚チャレンジしましたが、このようなものしか撮れませんでした。ま、撮影OKだからと言ってブログにあげて良いのかどうかは分かりませんが、これだけピンボケなら問題ないかな?みたいな…。