若竹七海 著
主人公・真琴はとにかく不運だった。
一生懸命働く普通の31歳。編集プロダクション勤務だから、
多忙な日々と理不尽なクライアントに振り回されているけれど、
その分年齢に対する無駄な焦りはない……はずだったのに。
編プロは倒産、気晴らしにホテルをとったら火事に巻き込まれ、
焼死体まで目撃するはめになる。不幸は不幸を呼ぶもので、
なぜだか新興宗教にまで追いかけられ、住まいまでも捨てる
はめに陥る。
やけくそで海辺の町へ向かい、「バカヤロー!」と叫ぶが、
そこにあったのは水死体。
わけがわからないままにぐんぐん進む巻き込まれ系物語。
ストーリー自体は地元の名家や財産争い、地元企業の力関係に
殺人が絡むというありがちなものだが、異色なのは盛りだくさんの
ロマンス小説のエッセンスである。
といっても、真琴の恋愛は脇役も脇役、ロマンスは真琴が店番をする
古書店アゼリアの本棚が舞台である。
オーナーの紅子は地元の名士、そして独身、ロマンス小説のエキスパート。
趣味と好みだけでつくられたような、そして潤沢な資金と豊富な知恵を
注ぎこまれたのがアゼリアである。真琴はその豊富な知識と本への愛を
見込まれて、宿と職にありつくことになったのだ。
ワガママなお金持ち、箸にも棒にも引っかからないのにとてつもない
美少女のお嬢様、名士の指示とあれば死体の身元までいつわっちゃう
医師、とキャラクターは濃い。警官たちはもっと濃い。
それなのにあまり嘘くさくならず楽しく読めるのはすごい。
ただ、残念ながら私はロマンス小説の知識がほぼ皆無。
巻末に解説もあるのだけれど、これってわかってる人が読んだら
100倍、いや1000倍も面白いのではないだろうか。
主人公・真琴はとにかく不運だった。
一生懸命働く普通の31歳。編集プロダクション勤務だから、
多忙な日々と理不尽なクライアントに振り回されているけれど、
その分年齢に対する無駄な焦りはない……はずだったのに。
編プロは倒産、気晴らしにホテルをとったら火事に巻き込まれ、
焼死体まで目撃するはめになる。不幸は不幸を呼ぶもので、
なぜだか新興宗教にまで追いかけられ、住まいまでも捨てる
はめに陥る。
やけくそで海辺の町へ向かい、「バカヤロー!」と叫ぶが、
そこにあったのは水死体。
わけがわからないままにぐんぐん進む巻き込まれ系物語。
ストーリー自体は地元の名家や財産争い、地元企業の力関係に
殺人が絡むというありがちなものだが、異色なのは盛りだくさんの
ロマンス小説のエッセンスである。
といっても、真琴の恋愛は脇役も脇役、ロマンスは真琴が店番をする
古書店アゼリアの本棚が舞台である。
オーナーの紅子は地元の名士、そして独身、ロマンス小説のエキスパート。
趣味と好みだけでつくられたような、そして潤沢な資金と豊富な知恵を
注ぎこまれたのがアゼリアである。真琴はその豊富な知識と本への愛を
見込まれて、宿と職にありつくことになったのだ。
ワガママなお金持ち、箸にも棒にも引っかからないのにとてつもない
美少女のお嬢様、名士の指示とあれば死体の身元までいつわっちゃう
医師、とキャラクターは濃い。警官たちはもっと濃い。
それなのにあまり嘘くさくならず楽しく読めるのはすごい。
ただ、残念ながら私はロマンス小説の知識がほぼ皆無。
巻末に解説もあるのだけれど、これってわかってる人が読んだら
100倍、いや1000倍も面白いのではないだろうか。
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