息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

空の中

2011-06-26 10:44:46 | 著者名 あ行
有川浩 著

「塩の街」「海の底」とともに自衛隊三部作と呼ばれる。

日本初の超音速旅客ジェット機が突然炎上する。
そんなショッキングなシーンから始まる物語だ。
その事故で死亡した自衛隊三佐の息子が、海辺で不思議な物体と出会う。
「フェイク」と名付けたその生き物らしきものと心を通わせる少年。
やがて、携帯電話を通じて意思の疎通ができることがわかり、
世界的な機密へと巻き込まれていく。

ありそうなのだ。
時空を超えた生物。
しかしそれに出会った瞬間、利用しようと思い立つ人々。

そこに翻弄され、または逆に翻弄しつくそうとする少年少女たちの姿は
一生懸命でちょっと切ない。
大切な人を失った悲しみを整理するために、何かが必要だった、と
いうことは同じなのに。走って行く方向は逆になる。

ピュアな情熱に対する気恥ずかしさとうらやましさ。
そしてそのパワフルな感情が、物語を結末へと導いていく。

ライトノベルならではの癖はあるが、そう気にはならない。
自衛隊マニアにはちょっと物足りないかもしれないが、それなりに
しっかり研究して書かれていることはよくわかる。

というわけで、ちょっと前の作品ばかりですが、有川浩はまってます。

3か月くらい前に近所の書店でサイン会があったんだよね~。
なぜ行かなかったのだ? 自分?
いや普段の自分からして絶対行かないわけだが、こうなると
とても惜しい気がするのである。

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