哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

便利は不便(週刊新潮今週号の「人間自身」)

2005-10-14 21:49:01 | 哲学
 池田晶子さんの週刊新潮今週号の「人間自身」の題は、「便利は不便」でした。

 ページを開いた途端、「モンブランの万年筆」という言葉が見えたので、おや池田さんも?と思ったが、よく読むと100円のボールペンを愛用されているそうです。推測するに、たぶん三菱UNIのボールペンでしょう。あれはよくできていて書きやすいです。

 さて本題ですが、今週号の内容を要約すれば、「便利なものを作って使い始めるとかえってそれがないと困ることになり、逆に不便となる矛盾。便利を追求して時間を節約しても、その便利さのためにさらに仕事を増やす矛盾(コンピューターに情報を収集して便利だと思ったら、今度は情報漏えいに四苦八苦)。時間を作ってもロクでもない娯楽に浪費される。何のための便利さなのか各々良く考えてみるがよい。」

 確かにiPodを買ったら全て音楽はパソコン経由でしか入手できなくなり、またそのパソコンが壊れたらせっかく買った音楽は全てパーに? 本当に不便さも増幅していそうです。

 ところで、便利さの追求は道具の進化として文明の原動力であったような気もするのですが、ならば人間は何のために文明を築いたのでしょうか? 高尚な哲学のすえ文明を築いたとも思えませんし、とすれば便利さの追求は単なる人間の本性かも。