池田晶子さんの週刊新潮連載「人間自身」今週号は、「探すのをやめよ」という題でした。「自分に合う」仕事を見つけたいという一方で「自分探し」をしているフリーターやニートに対して「探すのをやめよ」というのです。ポイントとなる文を抜粋します。
「自分にあった仕事を見つけたいという一方で、自分がわからないから自分探しをするという。つまりわからないものによって、わからないものを見つけようというのだから、見つかる道理がないではないか。
個性というものは、自分が見つけるものではなくて、他人が見つけるものなのである。自分としてはこうとしてしかできない、それが本来的な個性というものだ。
人が自分の個性を知るのは、これは完全に逆説になるが、自分というものが「ない」と知ることによってである。自分というものは「わからない」ではなく、「ない」のだと一度思い知らなければダメなのだ。ではどうすればいいのかと問われれば、一言「一度死ね」。
自分なんて「ある」と思うから、いつまでも探すことになる。しかしそんなものは「ない」、死んで「ない」と思うなら、探し回る道理もなくなる。できることしかしなくなる。いまここに居ることが全てなのだと知るはずだ。」
一度死ね、とはまた随分過激な発言です。その後の文章でその内容の説明はしていますが、とぎときこういうぶっ放すような書き方をするので、池田さんを誤解する人もいるのではないかと思ってしまいます。ファンとしては面白いのですけどね。
「一度死ね」とは要するに、生きることは死ぬことの裏返しであり、それは表裏一体であるから、自分が死ぬ=自分がないという事態を一度想像してみなさい、そうすれば生きることがどういうことか少しはわかる、と言っているのでしょう。さらに、死とは不確実な遠い将来の話ではなく、体の細胞が日々生死を繰り返しているように、また生まれたことが自分の意思ではないのと同じく、いつ突然死ぬかは人智の及ぶ事ではないから、今日死ぬかもしれない。つまり死は今まさにここにやって来る可能性があるから、生きるとは今ここに居ることが全てなのだ、と言っているのでしょう。
本当に今日死ぬとなれば、計画的なことは何もできませんが、今生きていることが全てだと考えると、確かに自分にとって無駄なことは排除して、本当にしたいことに時間を計画的に行おうという意志を育むことはできそうです。そのような行為が他人から見て個性に映ると池田さんは言っているのでしょう。
「自分にあった仕事を見つけたいという一方で、自分がわからないから自分探しをするという。つまりわからないものによって、わからないものを見つけようというのだから、見つかる道理がないではないか。
個性というものは、自分が見つけるものではなくて、他人が見つけるものなのである。自分としてはこうとしてしかできない、それが本来的な個性というものだ。
人が自分の個性を知るのは、これは完全に逆説になるが、自分というものが「ない」と知ることによってである。自分というものは「わからない」ではなく、「ない」のだと一度思い知らなければダメなのだ。ではどうすればいいのかと問われれば、一言「一度死ね」。
自分なんて「ある」と思うから、いつまでも探すことになる。しかしそんなものは「ない」、死んで「ない」と思うなら、探し回る道理もなくなる。できることしかしなくなる。いまここに居ることが全てなのだと知るはずだ。」
一度死ね、とはまた随分過激な発言です。その後の文章でその内容の説明はしていますが、とぎときこういうぶっ放すような書き方をするので、池田さんを誤解する人もいるのではないかと思ってしまいます。ファンとしては面白いのですけどね。
「一度死ね」とは要するに、生きることは死ぬことの裏返しであり、それは表裏一体であるから、自分が死ぬ=自分がないという事態を一度想像してみなさい、そうすれば生きることがどういうことか少しはわかる、と言っているのでしょう。さらに、死とは不確実な遠い将来の話ではなく、体の細胞が日々生死を繰り返しているように、また生まれたことが自分の意思ではないのと同じく、いつ突然死ぬかは人智の及ぶ事ではないから、今日死ぬかもしれない。つまり死は今まさにここにやって来る可能性があるから、生きるとは今ここに居ることが全てなのだ、と言っているのでしょう。
本当に今日死ぬとなれば、計画的なことは何もできませんが、今生きていることが全てだと考えると、確かに自分にとって無駄なことは排除して、本当にしたいことに時間を計画的に行おうという意志を育むことはできそうです。そのような行為が他人から見て個性に映ると池田さんは言っているのでしょう。
あと、フリーターは待遇が悪いことを問題とすべきで、池田氏の文章では問題点を隠避するだけで、有害だと思います。
「暮らしの哲学」で、分けて書いているようですね。しかし内容的には、
「暮らしの哲学」のほうが難しく感じます。どちらも毎週楽しみです。