哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

どうすればいいのか(週刊新潮今週号の「人間自身」)

2006-11-12 22:20:30 | 哲学
 池田晶子さんの週刊新潮連載「人間自身」今週号は、「どうすればいいのか」という題でした。池田さんは講演会において、しっかり説明したつもりなのに、表題のような質問を受けてトホホ感になるそうです。



「「どうすればいいのか」とは、ある意味で人生の常態である。人生は自分が生きるものである。だからこれを自分に問うのは理解できる。しかし、この問いを他人に問うとはどういうことなのだろうか。」



 確かに池田さんの仰る通り、人生は自分で生きています。しかし実社会において、表題のような問いはあちらこちらで聞かれます。


 社会において「先生」と呼ばれる人に対して、大衆は常にそのように聞く権利を持っているようです。池田さんも世間においては「先生」ですから、「自分で考える」ことを説明しているにもかかわらず「どうすればいいのか」と教えを乞われるわけです。


 つまりは、学校の先生にだって、医者の先生にだって、弁護士の先生にだって、「どうすればいいのか」と聞いて指南をいただくのが、庶民たる我々のささやかなる権利なのです。


 所詮自分の意思でこの世に生まれたわけではないのですから、その未知なる人生全てについて自分で責任を負うのは、あまりにも重過ぎます。他人に責任の一端を負ってもらえば少しは楽なのです。


 そして人生は未知なるゆえ、池田さん自身もこう書いておられます。自分だってどうすればいいのかは知らない、だから考えるのだと。


5 コメント

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Unknown (Unknown)
2006-11-18 13:44:05
池田さんは、論理的に「どうすればいいのか」とは問えないのでしょう。将来の“Sollen”は、現在の“Da-Sein”に向かって弁証法的に統一されちゃいますからね。
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トホホな私 (Pfui!)
2006-11-18 00:01:42
多分、私も「どうすればいいのか」と問うてしまうだろうな(^-^;)>

池田さんは好きで何冊か著作を拝読し、仰る事も何となく解ったつもりではおりますが、如何せん、ど~すればいいのか解らない!

混迷の時代とも言うべきか、
ひとり閉じ篭って考えてる訳にもいかない
生活に縛られているとは...
やはり一般人には逃れ難い想念の様に思われます

逆に困難な時代だからこそ「哲学で飯は食えん!」という想いが先に立ってしまいますねぇ~

ど~すればいいでしょう??(^-^;)>
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そうですね。 (miyurin)
2006-11-17 21:42:44
本当は、したいようにしているではないか、と言うべきなのでしょう。したくなければ、しなければいいのですから。
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Unknown (Unknown)
2006-11-17 16:03:17
どうにでもすればいいのでしょうね。

人間はしたいことしかできない。そう思うと
なぜか笑みがこぼれます。
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Unknown (Unknown)
2006-11-17 15:16:34
「どうすればいいのか」と言われたら、哲学的には、
「どうしようもない(なるようにしかならない)」と
答えるしかないですね。それで「現状追認である」と
怒られたら、縁がなかったということでしょう。
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