かたつむり・つれづれ

アズワンコミュニテイ暮らし みやちまさゆき

「聞いて、聞いてママ」

2012-10-25 06:32:40 | アズワンコミュニテイ暮らし

 晩ごはんのあと、テレビを見て、寛いでいた。

 孫娘の風友(ふゆ)が玄関からあらわれた。

 赤銅色に日に焼けて、カタ太り、いかにも健やか。

 

 仏頂面をしてるのかな?

 ソファのうしろにまわって、テレビを見ながら、うつろな眼差し。

 「どうしたんだい?」

 ちょっと、表情が崩れそうになったけど、返事なし。

 よく見るとランドセルなど、明日の学校の用意がしてある。

 「きょう、ここに泊まる」

 「いいよ」とぼく。

 

 そのうち、なんとはなしにぼくが坐っているソファーに寝転んで

頭を腿に乗せてきて、テレビを見ているふり。

 おばあさん小浪が、台所の片付けを終えて、やってきた。

 「どうしたの?」と聞く。

 こんどは、涙が目に滲んできて、「晴空(はるく)が・・・」と

弟の振る舞いがいかにいか酷いか、話しはじめた。

 ママから「どっちも、いい加減にしなさい!」と叱られたらしい。

 「だって、ママなんか、私の気持ち、聞いてくれない」と・・・

 

 ははーん、そこかあ。

 「きょうは、ここに泊っても、明日はママに風友の気持ち、

聞いてもらうの、できたらいいね」

 風友は黙っていた。

 

 「目覚まし4時にかけて」と風友。

 「宿題するの?」と小浪。

 いかにも、早すぎる。「5時にしとくね」

 狭い6畳に川の字で眠る。

 

 5時過ぎても、風友は起きない。

 目は覚めている。

 川の字が、ふとんのなかでおしゃべり。

 「聞いて聞いてママ。見て見てママ。ママ、大好き」とぼく、歌う。

 「音痴!」とばばと風友。

 「じゃあ、もう一度」

 他愛のない起き抜けのふとんのなかののどかなひととき。

 

 7時半前、学校へ行く時間。

 「ちょっと、桃子のところに行ってくる」と小浪。

 風友、ランドセルしょって、ママの顔みて、学校へ・・・

 

 娘一家と我が家は目と鼻の先。わるくはない。

 

 

 

 

 


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