ほんとういうと、もうろくの兆しといっていいかどうか。
なんというか、老い人たちの会話のテンポがちょっと省みると、
トントン拍子というふうにはいっていない。
先日、韓国からアズワンコミュニテイ訪問団13人がやってきた。
3泊4日のスケジュール。
13名の移動は、8人乗りのワゴン車を使う。
初日、津港迎えと最終日の送りは3台。
中2日は2台で。
コミュニテイ案内のスケジュールを立てて、運転手のやれる人を
探したら、60歳から70歳の老い人たちのチームができた。
段取りも、午前だけの人、一日行ける人、繋ぎつなぎの車の
リレー。
どこから出発する、どこを回って、どこに着く。その車はどこに
置く。その車のカギは次に使う人に渡すにはどうするか?
韓国の人たちが来る前日、明日は雪という予報だった。
夕方、70歳の運転予定者から「雪という予報なので、ぼくは
運転しないよ」と電話があった。
「ぼくはやれるよ」という老い人チームが寄ってきた。
女性もふくめて5人。
日程とスケジュールと車と運転手の段取り表を用意した。
それを見ながら、一人ひとりの動きを確認していく。
なにせ、一人ひとり、一回では確認できない。
「ちょっと、待って、待って、ええーっと、終わったらどこに
車を置くんだっけ?」
「えっ、それって、SCSの前じゃないの?」
「ええっ、北口だって、それってどこ?
「そんとき、カギはどうするの?」
「そこって、どこ、どこなの?」
それぞれ、自分の動きを確かめるのに、精一杯。
それも、一つ確認したと思って、次のところを確認している
うちに、前のところがまた不確かな感じがして、もう一度
確かめたりするから、なにがなんだか分からなくなる。
それぞれ、段取り表にメモを書き込みながら、ワイワイ
ガヤガヤ、そういうテンポで明日を描いた。
いやはや。
船田さんと2台のワゴン車を運転する日。
1台のワゴン車の補助席が使えなくなった。
「じゃあ、どうやって韓国の人たちに乗ってもらおう?」
「ええーと、韓国の人は13人だよね」
「そうだよね」
「そうしたら、ぼくら運転するのが2人だから、全部で15人」
「そうそう、だったら?」
「だったら、そうだね、7人と8人と乗ればいいよね」
ああ、アホか。
そんなこと、二人で確かめなくったって、7人と8人で15人、
わかりきってるじゃん!!
ところが、ところが、この絶妙なもうろく振り。
この二人のテンポ。
その場で大笑い。
それにしても、こういうのはボケ防止に役たたないか。
こう書いていて、ちょっと危なっかしい感じがしてきた。
だれか、見ててね。