〇さあ、伊勢路の道中はじまるぞ!
朝、冷えていた。
10月27日、健生みえ「平成のやじきた道中 伊勢の国」の第一回。
昨夕、大平事務局長が届けてくれた赤いTシャツを着る。
妻に見せたら、笑っていた。そのうち、なれるだろう。
ちょっぴり、やる気。
鈴鹿の面々、連れもって桑名駅へ。
駅前の通路で”やじきた道中”参加の受付。
(静岡・神奈川から。始発でやってきた)
(愛知から大勢)
七里の渡しまで、移動。歩くと身体がほっててくる。
鳥居の前で、健生みえの会長さん、愛知健生の会長さん
挨拶。
歩きはじめて、すぐ歴史公園。桑名城跡のお堀に沿っている。
日本橋から京都まで、旧東海道のミニチュア版。
金木犀が繁った枝々にこれでもかとばかり開花していた。
秋の香り、ほんのりと。
〇桑名の街を探訪
ここから、石取り会館見学グループと桑名博物館見学グループ
に分かれる。
(石取り会館。日本一、やかましい祭りとか)
(博物館も館長さんに桑名の歴史語っていただく)
(桑名城は四つのお堀に囲まれていた)
(六華苑の設計をしたイギリス人コンドルさんの展示会。
奥さんは日本人。着物の着方が艶めかしい)
〇やじきた道中、あれやこれや
さて、そのあとから、いよいよ往古を偲んで、東海道ウオーク。
先頭は、健生みえの長老余川さん。先回のケガを感じさせない
歩き。
先回、愛知健生の”やじきた道中”最終回、われらの先頭で
舵取りをしてくれた山下せつ子さん、今回はゆったり味わって
いる様子。
旧東海道は、ゆるやかな曲がりや、直角に曲がるような道が
保たれているところが多い。
道幅も狭い。われら、やじきた一行が歩いていると、行き交う車は
スピードを緩めてくれている様子。
最後尾には、健生みえの中井さん。それに、おなじく足利由紀さん。
背後から車がやってくると、由紀さんが「車がきています!」と声を高く
する。声がよく通る。
そのあと、絶妙のタイミングで中井さんが笛を吹く。
二人の意気がだんだん合ってくる。
桑名の街は、鋳物の街。
「あれ、こんなところに、大きな釣鐘!」
十念寺で休憩。
ここには、幕末、幕府側にたって、官軍と戦い、函館まで行った
桑名藩士の墓があるという。
大平照子さんがポツリ。
「わたしの先祖は、桑名藩の家老だったらしい。お家騒動で埼玉
の方へ移されたらしいの」
十念寺とは、関係がないとはいえ、へえー、どこにどんな縁があるのか、
人の世のつながりの不思議・・・
〇「ランチタイムはいつくるの?」
神奈川から来た佐須さんと田原さん、「まだ、昼ごはんになりませんか?」
とつぶやいた。「なんせ、朝5時ごろ出てきたんで」
お昼ご飯は、晴雲寺というお寺。
明日は、大きな行事があるというので、檀家衆が寄っておられた。
「本堂の中も使ってください」とこころよく迎えてくれた。
大平さんが、前もって打ち合わせておいてくれたのか。
ところどころで休憩。
出発前に人数確認。「はい、五列に並んで」
小学生になって、数えてもらう、また楽しからずや。
〇桑名の街をあとにして
桑名市街地を通りぬけて、町屋川(員弁川)ぶつかった。
その昔は、中州を挟んで二つの橋があったという。
ここに、にぎわう街もあったという。
町屋橋を渡って、朝日町に入る。
山口誓子の句碑、発見。タバコ屋さんの店先にこじんまり立っていた。
露けさよ 祷りの指を 唇に触れ
そのときは、「みんなに遅れてはならじ」と歩いたけど、はてどんな句か
とこころに残っている。
〇道すがらもおもしろい
東海道のところどころに、榎の大木。移り変わる時代を
じっと眺めてきた?
花束をもった地元のおじさんが、われら一行の一人に話しかけていた。。
そのうち、”安達酒造”という門のところで、「じゃあ、気をつけて」と
別れた。蔵元さんだった。
お互い同士も、歩きながら、けっこう話ができる。
「楽そうに歩いていますね」と隣のおばあちゃんに声かけた。
「何年か前、じぶんでやろうとすればやれる立場になって、こういう
機会に参加しはじめているの。やれるとき、やっておきたいとおもって」
70歳を越えた女性の人生の一端に触れた感じ。
「ちょっと、足が痛くなって・・・」と言いそびれた。
〇門前のひとことも道中のあじわい
あちこちのお寺に掲示してある、ひとことを読むのが楽しくなる。
人が感じられて・・・
〇「やったあ、いよいよ富田駅」
川越町の常夜灯。遠目で見ると、まるで四国巡礼・お遍路さん。
「一歩一歩、確かめながら、来たっけなあ」
「ああ、もうきつくなってきたなあ」とおもっていたら、健生みえの
やじきた道中実行委員長の伊藤正人さんが、「もうじき、富田駅
です!」と声かけてくれた。
「助かった」これは、心中のつぶやき。
「最後にみんなで記念撮影しましょう」と伊藤敏正さん。
われら一行は、なんとはなしに笑顔になってしまうふうに、お互い
八幡さまの御前で身を寄せた。パチリ。
「次回も会いたいですね」こんな気持ち、湧いていた。
赤いTシャツも気にならなくなっていた。
伊藤敏正・敏子夫妻、赤いTシャツで家路についた。
そうそう、期せずして術後の鈴木英二さん、辻屋哲男さん、
それぞれ車で参加、救護班で活躍?