ことし10月、はじめて沖縄を訪ねた。
以来、沖縄からの便りには関心がいく。
きのう、テレビで沖縄と天皇のかかわりを流していた。
昭和天皇の御歌が紹介されていた。
思わざる病となりぬ
沖縄をたずねて果たさむつとめありしを
昭和62年(1987年)沖縄秋の国体で、はじめて沖縄を
訪問できるという直前に病に倒れた。
そのとき、詠われた。
敗戦にいたる経過のなかでの沖縄戦、地上戦で住民・
兵士20万を犠牲にした。敗戦後、占領期のなか天皇は
沖縄をアメリカの信託統治にするという決断をしたという。
ちょうど、秦郁彦「裕仁天皇の五つ決断」を読み終えた
ところで、天皇自身の実際がどんなだったか、こうだと
いえないにしても、その成り行きのなかで、天皇の内面を
推察するに、沖縄訪問を直前に倒れたことは、悔やんでも
悔やみきれない、万感のおもいに見舞われたにちがい
ない、と想像する。
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今上天皇は皇太子時代に何回も沖縄を訪ねている。
戦火(いくさび)に焼き尽くされし摩文仁が岡
みとせ(30年)を経て登り行く
この”焼き尽くされし”というコトバになる前の、皇太子の
こころのうちでなにが起きていたのだろう?
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摩文仁が丘で献花したあと、琉球の古歌で気持ちを
表わしたと知った。
(琉球の古歌について、学んでいたんだ・・・)
花よおしゆげやん (花を捧げましょう)
人知らぬ魂 (人知れず亡くなっていった
多くの人々の魂に対して)
戦ないらぬ世よ (戦争のない世を)
肝(チム)に願て (心から願って)
慰霊の塔は、生き残った人々が、散乱している 遺骨を
集め、敵味方の隔てなく納骨し、慰霊の塔として祀ったも
のだ。
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天皇は今年81歳になられた。12月23日の記者会見。
ーー先の戦争では300万を超す多くの人が亡くなりました。
その人々の死を無にすることがないよう,常により良い
日本をつくる努力を続けることが,残された私どもに
課された義務であり,後に来る時代への責任であると
思います。そして,これからの日本のつつがない発展を
求めていくときに,日本が世界の中で安定した平和で
健全な国として,近隣諸国はもとより,できるだけ多くの
世界の国々と共に支え合って歩んでいけるよう,切に
願っています。
日本が起こした満州事変から15年戦争の犠牲者はアジア・
中国・朝鮮で1000万から3000万と言われている。
ここでは、コトバを選んで、万感のおもいで、自身のお気持
を表わそうとしていることが伝わってくる。
首相の座についた安部さん、振り返ると、ずっと日本という
国を「戦争が出来る国」につくりかえようとしているように
見える。
それも、いちばん大事な、この国に暮らしている人たちの
意見に耳を傾けないで。
沖縄では、県知事選と衆議院選の二つで「辺野古に
新基地をつくってほしくない」という民意が出ているのに、
今のところ、「粛々と進める」と公言している。
翁長雄志沖縄県知事が東京に行って、首相に面会を
求めたが、断られという。
こころが痛いです。
10月沖縄訪問のとき、地元の方に案内してもらって、
「辺野古新基地反対の座り込みテント村」に行ってきた。
座り込みをしている人たちのなかに、入ってぼくも座った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0e/fe/22d29a93e717ea78162003439a1df50d_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/10/d3/18be9926fbf5b720d0e200849441829b_s.jpg)
隣に居た女性に「どこからお出でですか?」と声をかけた。
「メールマガジン9条」に辺野古の様子を映像にして、
配信している人だという。三上智恵さん。
「標的の村」という映画も各地で上映されている。
沖縄から鈴鹿に戻った。
三上さんのレポートは毎回見るようになった。
最近の三上さんのレポート。
三上さんから見た沖縄の人たちのこころの底にあるもの、
生身の人として、情勢のあるなかで、したたかに、
しなやかに、現われてくるものの実態、ここにやはり
未来を感じる。
東京で行われていることの空虚さを浮き彫りにするかの
ように。
http://www.magazine9.jp/article/mikami/17123/