4月14日から17日まで「CRC集中研究会」があった。
CRCって、何のこと?
研究会に寄った人たちの中には、この意味が分かってない人
もいた。
まずそこから。
C は、community のC、コミュニテイ
R は reception のR、レセプション、来訪の人の受け入れ
C・・・conference のC、 カンファレンス、検討会
来訪者の受け入れの企画する人、宿泊や食事など生活面の
受け入れをしてきた人で、はじめてこんな時間をもつことが
できた。
5年前、2010年11月、ぼくら夫婦は鈴鹿に引っ越してきた。
サイエンズ研究所、サイエンズスクールがベースになって、
新しい社会の試みにチャレンジしている、そういう地域で
暮らしてみようというのが動機だった。
その頃、韓国からの来訪者があり、たまたまその人たちの
案内をする成り行きになった。
あちこち案内し、そこでやっている人の話を聞かせてもらった。
「ああ、ここに何か、”新しい社会の試み”といってもいいような
ものが現われている」と感じた。
たしかその頃、「アズワンコミュニテイ鈴鹿」という名称が使われ
はじめ、それを案内するマップも出来たきたんじゃなかったか。
「サイエンズ」というコトバも使われ始めた。
「カタカナばっかじゃん」とそのとき違和感があった。
2011年3月11日、東北大震災のあとぐらいから、「エコビレッジ」を
研究する人やコミュニテイに関心を持つ人が訪れるようになってきた。
「”ふだん着で探訪”という名前で、来訪の人を受け入れていきたい」と
小野雅司さんが言い出した。たしか、2011年の後半ごろ。
そこをやろうという人でやってきて、今にいたる。
訪問する人たちが増えてきた。いろいろな目的でも人がやってくる。
・探訪デイ
・探訪デイやマイライフセミナー参加のあと、遊びに来る人
・長期のコミュニテイ体験
・持続可能な社会づくりカレッジ
・長期のサイエンズ留学
・周末だけ、コミュニテイで暮らしたい人
・ファームなど農繁期のアルバイトの受け入れ
宿泊は、あっとほーむ本山、コミュニテイハウス江口、ファミーユ中井、
人数が多いときはスクール研修所、とやりくりしてきたけど、どうも
いまの情勢はそんな感じではやれそうもないようになってきた。
これまでは、その気持ちのある人で、その人のやれる範囲で、やって
きた。
ここまでやってきたことをその延長で「どうしようか」と考えるの
ではなく、一度やってきたことはそれとして、いったい「CRC」という
ことでやってきたことは、何をしたかったのか、ゼロから見直してみよう、
そんな研究会になった。
探訪で初めての人に自己紹介するとき。
「ふだんは来訪される人にコミュニテイの案内をさせてもらっています」
と紹介している。
今回、自分のなかで検討したこと。
「案内するというけど、何を案内するとしているのか?」
自問してみると、コトバではなんとでも言えそうだけど、「で、何を案内
しようとしているの?」と重ねて問うてみると、まだ奥がありそう。
参加した一人ひとりも、その辺を自問したり、おもっていること
を出しあった。
案内する人、食事を用意する人、泊まりの受け入れをしている人、
それぞれの気持ちや思いがある。
「それで、訪問された人に何を案内したいのか?」
チームで受け入れている実際が浮かび上がってきた。
手分けして、受け入れている。
「手分けしてというとき、どんな気持ちでやっているのだろう?」
今は各家で食事から、泊まりまで、いろいろ世話することがある。
訪問者があるというと、どこで受け入れができるか、それぞれの
事情を聞きながら、どうしたら受け入れができるか。
引き受けた家は、そこのお母さんが何から何まで用意する。
受け入れようとすると、がんばらなくちゃ、みたいになったり
していた。
「その辺どうなんだろうね。コミュニテイで受け入れてもいいよ
いう家が何軒かあれば、それを一つの家族と見たら、家と家が
離れてても、食をみるお母さん、住を見るお母さんとか、受け入
れを考えることもできるんじゃない」
「面白いね、食なんかでも、メニューを立てたり、見ていく得手の
人が立たったら、楽によりよいものになっていきそう。
鈴鹿カルチャーステーションにあるコミュニテイカフェを
食堂に使っうこともできるし、、一軒ごとにと思っていた
イメージが一気に広々としたところに、開放される感じ
だね」
「食事を作るって言っても、おふくろさん弁当で毎日、
食事を作っているんだから、そこを活用しないって手は
ないよね」
なんというか、ここまで出てくると、今のアズワンコミュニテイ
という名前で描いている、社会の実際のなかで、どんな風に
日々、くらしているのか、というのが見えてきた。
食材にしろ、お弁当にしろ、今新しくスタートした
「スペースJOY」(旧称 コミュニテイストア)も使えるよね。
手分けっていうけど、手分けしたお互いって、どんな関係なん
だろうね。
訪問者を受け入れたいという気持ちでも、そこを用意する
人と人の間のことがあるよね。
手分けしてやるとなったら、任したことについては「よきに計らえ」
というのがいいんじゃないかな。
「家族でも、今日の夕食、何にするかみんなで決めるなんてこと
してないもんね」
さて、「何を案内しようとしているのか」
ずいぶん、黙っている時間もありながら、自分のなかでだんだん
浮かび上がってきたこと。
「鈴鹿に引越ししてきて5年。サイエンズスクールやアズワンコミュニテイ
の人や社会の仕組みや運営のなかで、一人で抱え込んで暮らしていく
ことが荷やっかいな感じになり、背負っている荷物を降ろしたくなってきた
歩みだったかなあ」
訪問される人たちも、「ここの人たちが気負いなく、楽に暮らしている
ようで、ほっとした」とか、「会う人、会う人、ふつうにしぜんに接して
くれるのよね」という印象を語るひとが多い。
一昨年、探訪デイに参加して、ことし「自分を知るためのコース」に
参加したT青年。
最近は週末ごとに、アズワンに泊りがけでやってきている。
彼が、スクール会員ブログに書いていた。
紹介します。
「マイライフミーティングから帰ってきて、ふと、なぜアズワンを
選んだんだろうと思った。
持続可能性を求めてエコビレッジとか何箇所か行った中か
選んだ理由は。
たぶん、単純に愛情を感じたからかなぁ。
持続可能とか難しい考えでなく、本能的な欲求で良いなぁと
思ったから。
今日も帰るときに、また来てねと満面の笑みで言ってくれて、
あぁまた来ていいんだと思うと、単純に単純に嬉しかった。
これはマザーテレサの言う無償の愛というものか?
でもアズワンの人は「そんな大そうなものかなぁ、
あはははは」と言いそうだ。笑」
読みながら、自分が暮らす、人と人で織り成す実際について
もういちど、わが身や心がどこにおかれているか、振り返った。
そういう安心に触れてもらいたいとおもっているんじゃない
だろうか?
このチームはこのアズワンコミュニテイのなかで、どんな役割を
担当するんだろう。
その役割に相応しい名称も考えた。
出し合うなかで出てきたのが
「アズワンコミュニテイ・ビジターズ・ステーション」
アズワンコミュニテイ・ビジターズ・ステーションは、何を
願っている。目指しているか。
最後らへんで、ぽつりぽつりと出てきたこと。
それを、つなぎあわせてみると・・・
「世界中から来る人たちに、安心して暮らせる社会に
触れてもらえるように」
この部門が、果てしなく広がる世界のなかに、カタチとして
現われてくるように、今から一歩いっぽ。
ちょびっと、たよりなさそうですが、支えてね。