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風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

セグメンテーションを超えて

2025-07-22 22:03:22 | ビジネスパーソンとして

 数日前の日経に、「日本マクドナルドのテレビコマーシャルを見て『懐かしい』と感じた方は多いだろう」とあったが、テレビを見ない私には分からない。「1980年代の大人気アニメ・漫画『めぞん一刻』や『きまぐれオレンジ☆ロード』『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の名シーンをふんだんに使ったCMを流しているから」だそうで、そこまで言われれば私にも分かる。確かに懐かしい。

 「めぞん一刻」は、その記事によれば「アパートの管理人で、夫を亡くした2つ年上の女性、音無響子さんに恋い焦がれる若者を中心に繰り広げられるラブコメ」、「きまぐれオレンジ☆ロード」は、同じく「三角関係で展開するラブコメ」で、両方とも今風に言うと「ムズキュン」の世界で、「恋愛のムズキュンだけは『超時空的』感覚なのかもしれない」と日経は解説する。それはその通りだろうが、これらの漫画を懐かしむ「じじ・ばば」に孫を連れて訪れてもらうのが狙いかもしれない(笑)。

 少子化・高齢化で、マーケティング手法に工夫を凝らさざるを得ないようだ。

 同じ記事で、「このCM、2024年から始めている日本コカ・コーラとのコラボ第2弾だ。マックとコーラは親和性が強すぎて、逆にコラボの意外性はない。それでも手を組んだのは、マックとコカの担当者が面会したとき、『最近の子供はコーラを缶やペットボトルではなく、マックで体験することが多い』ことが分かったからだ」と言う。なるほど、面白い。

 かつてアメリカで、日本人の想像を絶するほど太ったオジサン・オバサンがスーパーでダイエット・コークの2Lペットボトルを半ダースも抱える(実際にはカートに入れる)姿をしばしば目撃したものだった。日本人には些か諧謔的に映るほどに、アメリカ人はコーク(蛇足ながら英語圏ではコーラではなくコークと呼ぶ)に馴染みがある。それには理由があって、アメリカの料理はおしなべて大味だからではないかと思っている。マクド(蛇足ながら関西圏ではマックではなくマクドと呼んで、後ろから第二音節にアクセントを置く)とコークが親和性が高いのは、そもそもアメリカ発のマクドのハンバーガーは、コークで味を調えるものだから、であろう(というのは私の偏見である)。大味のアメリカでは、ステーキを食べに行っても自分で塩・胡椒することになる。その意味でコークはアメリカ人の国民飲料である(とは言い過ぎでもあるまい)。アメリカに出張すると、いつの間にかコークを飲む機会が何度もあるし、帰国後は暫くはコークが無性に恋しくなる。

 話が逸れてしまった。そう、少子化、高齢化、もう一つオマケに人口減のマーケティングである。

 日経記事は、マクドのマーケティングのポイントとして、世代超えと、ファン層の垣根超えを挙げる。前者は、10~60代までをターゲットにするエージレス型、後者は、コア・ファンを抱える「森永ミルクキャラメル」「ハッピーターン」「ブラックサンダー」などの人気ブランドとのコラボで、マクドは自らを「プラットフォーム」に位置づけ、細る国内市場で顧客層を広げようとしている、という。同じような全世代型ブランドとしてユニクロを挙げており、マーケティングではセグメンテーションが一つの重要なフレームワークだっただけに、興味深い。マルチ・セグメンテーションと呼ぶべきか。

 そう言えば、近所で学習塾が抜けた後の店舗に動物病院が入った。私には極めてショッキングでシンボリックで、前者は、子供が減って商売が難しくなりつつあるのだろうし、後者は、子供が手を離れた老夫婦が愛情を注ぐ対象のペットが増えているのかもしれず、総じて街が老いていることを想像させる。これからの日本の現実を見せつけられたかのように、ちょっと憂鬱になる。

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