風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

周富徳さんのお店

2012-12-04 01:11:27 | グルメとして
 「炎の料理人」の通称で知られる周富徳さんのお店「広東名菜 富徳」に行って来ました。銀座線外苑前駅と青山一丁目駅のほぼ中間、青山通り沿い伊藤忠本社ビル隣のCIプラザビル地下一階にあります。こんな一等地にあって、高級店かと思いきや、味は本格的ですが値段はそれほど高くなく、また内装も落ち着いていて居心地良く、好感が持てます。若い頃は痩せの大食いでしたが、最近は、美味しいものがちょっとあって、美味しい酒がちょっと多めに(!)あれば満足するので、とてもリーゾナブルな食事になりました。
 中華料理と言えば大皿を大人数で分け合うイメージが強いですが、このお店には5~6名用の中盛や3~4名用の小盛のほかに2名用の極小盛も用意されていて、少人数でも安心なのが嬉しい。先ず、「あわびと青菜のスープ」を試してみました。コクがあって実に上品に仕上がっています。「干し貝柱の豆腐あんかけ」は、干し貝柱のスモーキーな味がちょっとうるさ過ぎるくらいに思いましたが、干しエビの味とからんで、なかなかに味わい深い。続いて点心メニューから選んだのは「ニラ入り焼きもち」と「エビ餃子」で、日本人の口に合うあっさり目の味付けです。最後に頼んだ「広東風(五目)チャーハン」は、オーソドックスでとても美味しいのですが、塩気がちょっと強過ぎるように感じました。総じて味は濃い目のようです。極小盛の料理の値段はだいたい1100~1600円(フカヒレ・スープや鮑になると1800~2200円)、極小盛の点心は650円と、お手頃です。
 その間、生ビールから始めて、紹興酒飲みくらべセット(熟成20年もの1グラスと熟成5年もの1グラス、1365円)で、さすがの熟成20年ものの旨さを堪能し、さてもう一杯、メニューにはないけれどもこの時期のお勧めとして紹介されていた紹興酒・女児紅(10年もの)をトライすると、先ほどの20年もの以上にまろやかでコクがあって美味しくて驚きました。それでも、一年半ほど前に香港で飲んだ「彫皇」という8年もの紹興酒の味が忘れられないのは、本場故のことでしょうか。
 周富徳さんと言えば、「浅草橋ヤング洋品店」で金萬福らとの「中華大戦争」を見たことがありましたし、「料理の鉄人」で、弟・富輝さん敗戦の仇討ちと称して、本当は親友の道場六三郎さんと対戦したことも懐かしく思い出されます。その後、私がアメリカに赴任し帰国した頃には、すっかり鳴りをひそめていたのは、セクハラ疑惑や脱税疑惑があったからでしょうか。お店の人に聞いたら、今でも週一回くらいはお店に顔を出しているそうですし、月に一回、昼に料理教室を開いているそうです。テレビではもはや過去の人になってしまい、実際に来年3月には70歳を迎える周さんは、私たちには馴染み深いビッグ・ネームで、庶民的な高級店?で高級感漂う庶民の味?に舌鼓を打つのも悪くありませんね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする