保健福祉の現場から

感じるままに

気になる溶連菌感染症

2024年06月20日 | Weblog
R6.6.19朝日「「劇症型溶連菌感染症」初の1千人超え 高い致死率、流行止まらず」(https://www.asahi.com/articles/ASS6M0J19S6MUTFL00XM.html?iref=pc_apital_top)が出ており、感染症疫学センター(https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc.html)の「IDWR速報データ2024年第22週」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/data/12707-idwr-sokuho-data-j-2423.html)の「全数把握疾患、報告数、累積報告数、都道府県別」の「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」をみておきたい。R6.3.29国立感染症研究所「国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/group-a-streptococcus-m/2656-cepr/12594-stss-2023-2024.html)が出ているが、昨年をはるかに上回るペースである。感染症法による届出(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou11/01.html)では、5類全数届出である「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の生存患者の届出要件(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-06.html)は、「病原体検出」のほか、「ショック症状」+「以下の2つ以上;肝不全、腎不全、急性呼吸窮迫症候群、DIC、軟部組織炎(壊死性筋膜炎を含む)、全身性紅斑性発疹、痙攣・意識消失などの中枢神経症状」である。実際には、届出要件を満たさないが、緊急の治療が必要なケースが少なくないであろう(ショック症状がない、規定の2つ以上がない等)。R6.5.14クローズアップ現代「危険な感染症「劇症型溶連菌」 命を守るためには?」(https://www.nhk.or.jp/minplus/0121/topic086.html)、R6.5.27テレ朝「“致死率3倍”『劇症型溶連菌』新たな変異株「M1UK」急拡大 治療法と予防法を解説!」(https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/900003477.html)は参考になる。R6.1.19NHK「劇症型溶血性レンサ球菌感染症去年1年間の患者数過去最多」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240119/k10014328001000.html)では「国立感染症研究所によりますと、去年7月から12月中旬までに報告された50歳未満の患者、65人を調査したところ、21人が死亡」「感染の初期は、発熱やのどの痛みなど、かぜと見分けがつきにくいが、意識がはっきりしなかったり、皮膚に赤い発疹が出たりするなど、ふだんのかぜと異なる様子があれば、すぐに医療機関を受診してほしい」とあるが、我が国では、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00424.html)のR4.8.2「限りある医療資源を有効活⽤するための医療機関受診及び救急⾞利⽤に関する4学会声明 〜新型コロナウイルスにかかったかも︖と思った時にどうすればよいのか〜」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000972886.pdf)p1「症状が軽い場合は,65歳未満で基礎疾患や妊娠がなければ,あわてて検査や受診をする必要はありません.」と受診抑制が徹底して要請されてきたことが気になる。まさか、ショック症状が出るまで待つことはないであろうが...。なお、感染症疫学センター(https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc.html)の「IDWR速報データ2024年第22週」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/data/12707-idwr-sokuho-data-j-2423.html)の「疾病毎定点当たり報告数 ~過去10年間との比較~」では「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」の定点当たり報告数はかなり高い状況が続いていることも認識したい。医療保険部会(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28708.html)のR5.9.7資料3「こどもにとってより良い医療の在り方等」(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001143707.pdf)p4「こどもにとってより良い医療を実現するための方策案」の一つに「小児抗菌薬の適正な使用」が打ち出されているが、「溶連菌感染症」(https://www.mizuho-m.co.jp/information/oyakudachi/strep/strep.html)(https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/group-a/)に抗菌薬を使えないようではいけない。R6.2.27現代ビジネス「「東京一極集中で地域医療が崩壊」「前例のない薬不足」…日本医師会会長が語った「医療制度の課題」とは」(https://gendai.media/articles/-/124812)の「コロナの時は解熱剤がないということがありましたが、今は、普通に抗菌剤がない。子どもの抗菌剤が途絶えていて、命にもかかわる状況です。」(https://gendai.media/articles/-/124812?page=3)ではダメである。R6.5.31「経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼」(https://www.mhlw.go.jp/content/001259615.pdf)の「経口抗菌薬が真に必要な患者に、円滑に供給できる状況を維持することが重要である一方で、医薬品の配分は過去の流通・販売実績に応じて行われることが多いため、経口抗菌薬の適正使用を遵守してきた医療機関ほど大きな影響を受けることが懸念されます。」とあるが、まずは安定供給が欠かせないであろう。まさか、医療費適正化のために薬剤不足が長期化されているわけではないであろうが...。R5.11.13Web医事新報「【識者の眼】「医薬品供給不足は後発薬不祥事の続発と厚労省の対応の遅さが原因」坂巻弘之」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=23088)の「厚労省の対応の遅さ」は意図されたものなのであろうか。5類全数届出である「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の生存患者の届出要件(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-06.html)は、「病原体検出」のほか、「ショック症状」+「以下の2つ以上;肝不全、腎不全、急性呼吸窮迫症候群、DIC、軟部組織炎(壊死性筋膜炎を含む)、全身性紅斑性発疹、痙攣・意識消失などの中枢神経症状」であるが、要件を満たさないケースも含めて、至急実態が把握されても良いように感じる。内閣感染症危機管理統括庁(https://www.cas.go.jp/jp/caicm/index.html)の意向はどうであろうか。
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