友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

世代交代

2015年02月27日 18時59分49秒 | Weblog

 『青い山脈』『埴生の宿』『ふるさと』をみんなで歌おうと呼びかけても、若い人は「それ、なんですか?」と言う。『青い山脈』は音楽の教科書になくても、『埴生の宿』『ふるさと』は学校で習っただろうと思ったが、歌ったことがない人もいる。知っているという人でも、「埴生の宿」が粗末な家のことまでは知らない。『青い山脈』は戦後に流行った歌だけど、『ふるさと』は歌詞に「志を果たして いつの日にか帰らん」とあるように、戦前の音楽の時間で歌われたものだ。

 太平洋戦争が激しくなり、英語を使うことが禁止され、洋楽レコードは破棄するように言われた。全く馬鹿なことだと思うけれど、そんなことが本気で行なわれたのだから戦争は恐い。『埴生の宿』『庭の千草』『蛍の光』はそれぞれイングランド民謡、アイルランド民謡、スコットランド民謡なので「敵国民の歌」なのに、なぜか歌われていたというから「廃棄せよ」という基準もいいかげんなものだ。文化の豊かさを知らない者は恐い。

 先日の市役所での講演会「デザインでまちはもっと活気づく」に参加し痛感したのは、私たちは年寄りということだった。私たちの子ども世代が主導的な立場に立っているわけで、学生たちから見れば私たちはジジババである。子どもたちの世代が社会の中心になって動かしているのを目の当たりにして、「邪魔だけはしたくない」と思った。私たちが体験してきたことからの発想は止めよう、私たちは子どもたちの妨げだけにはならないようにしようと思った。

 子どもの頃から、大人、わけても年寄りはどうしようもない存在と私には見えた。大人たちは誰もが、頑固で自己主張が強く、自分だけが正しいと思い込んでいる。そういう大人にはなりたくないと思っていたのに、大人の域を超えて年寄りになってしまっているのに、気が付かずにいた。30代や40代を批判することは、自分たちが育ててきた結果であることを忘れている。人はいつも自分に都合のよい様にと考える。困ったものだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする