goo blog サービス終了のお知らせ 

友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

童話作家の恋愛術

2015年02月08日 19時04分22秒 | Weblog

 「宮沢賢治、新美南吉、グリム兄弟、アンデルセン、ルイス・キャロルの6人の中で、結婚した人は誰でしょう?」。えっ!誰だろう。日本人の2人の作家は結婚していない。6人とも結婚しなかったのだろうか?大和塾の市民講座『昔話と童話に学ぶ幸せのつかまえ方』は、こんな具合に始った。答はグリム兄弟の弟だった。新美南吉については半田市に記念館もあるから、誰が好きだったのかも知っていたが、宮沢賢治にあんなに多くの恋人がいたとは知らなかった。

 宮沢賢治は熱心な仏教徒で、理想の国づくりに関心があった人。貧しい農民の味方になって生きたということしか知らなかった。確か、谷川雁や吉本隆明も宮沢賢治を研究していたが、女性についての記述は無かったように思う。2人は女性にモテたようだが、作品と恋愛は別のようで、作品を書く時はストイックだったと思われる。

 アンデルセンは失恋をする度に作品を書き上げていると言う。アンデルセンは『みにくいアヒルの子』『マッチ売りの少女』『裸の王様』など、どちらかいえば弱い者、貧しい者の立場から書いている。母親が父親よりも年上だったり、バレリーナを目指して挫折したり、大金持ちの令嬢に振られたり、そんなコンプレックスと関係しているようだ。グリム童話は兄弟の創作というよりも、昔話を収集して作り上げたものだから、恐い話が多い。

 ルイス・キャロルは数学者だが、可愛い11歳の少女に「お話を聞かせる趣味」があった。『不思議な国のアリス』は少女を主人公にした物語で、多くの人々に読まれ、身体が大きくなったり小さくなったりする奇妙な感覚をアリス症候群と命名されている。ルイスは少女を溺愛し、なおかつ少女の写真まで撮っていたので、ロリコンだったとまで言われている。確かにルイスが撮った11歳のアリスは左肩を露にしてどこか大人っぽい。

 そうした童話作家の人柄を知ると作品の1つひとつが別のものに見えてくる。シンデレラにしても白雪姫にしても、王子様が彼女たちを幸せにしてくれるが、日本の昔話では余り見られない。一寸法師は都に出て一番大きな屋敷に行き、屋敷の姫様のお供をしていた時、鬼に出会って退治する。そのご褒美で大きくなり姫様と結婚する。金太郎や桃太郎のように鬼退治に出かけたわけではなく、偶然出会ってやっつけただけと指摘され、妙になるほどと思ってしまった。

 まだまだ聞きたい話だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする