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蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

下町のセレブ

2009-11-22 | 人々の風景
事務所近くの、ちょいちょい行くお寿司屋さん。
よく見かける年配ご夫婦。推定68~75歳ぐらい?
お年寄りは、いずれ自分が行く道。
大概は、老いに対する私の無理解から、イヤだな~と感じることが多い。
憧れのお年寄りは、テレビの向こう側ぐらいにしかいない。

ご多分にもれず、そのお年寄り、先ずはご主人。
腕にはジャラジャラ重そうな金色ブレスレット。しかも2つも。
あくまで、金色。「金」かどうかは、知らないが。
さりげなく、ではなく、いかにもこれ見よがしに腕を動かして強調する。

ある程度食べ終えたのか、
シーハーシーハー、チッチッチッ、シーハーシーハー、チッチッチッ、チャッ、チャッ、チャッ・・・
歯(おそらく入れ歯)に挟まったものが気になるのだろうが、長時間それを延々と繰り返す。
ただでさえ、食事中の音に敏感な私、同じカウンターに座っていると実に苦痛だ。
いったい、いつまで続くのか?
見かけはヤ○ザくずれ風、近寄りたくもない。
もちろん注意など、できるわけがない。

そしてそのお連れ、奥様。
いつ見ても指にデッカいルビー(風?)の指輪が光り輝いている。
もしあれが本物なら、博物館行き? 
世界の王族か、皇室ファミリー?
屈指の大金持ち? 香港のオークションで落札され、次は何処へ? 
はたまた、アルカポネの妻の親戚?
生身のリアルタイムを生きる人が、あんな寿司屋に
(すみません、お寿司屋さんのご主人!)来る場合は、お忍びで来るはず。
間違っても国宝級の宝石は身につけて来ないだろう。
だとすると偽物のガラス玉?
あんないい年をして、あんな仰々しい偽物をつける人って、いったい?
いや、ひょっとして、全財産をあの宝石に替えて、いつも肌身離さず持ち歩いているのか?
お年寄りが襲われる物騒な世の中、それは、危険すぎるが。
というより、そんな人は、まず、いないだろうけれど。


社交ダンスのレッスンでご一緒するクラスメートも、ギンギラ宝石をいつも身につけておられる。
それも、お二人も。
普段使いのファッショナブルなものは別として、
正統派の宝石というものは、セレモニーか、それにふさわしい場に身を置く時だと私は、思っている。
発表会ならいざ知らず、毎週のレッスンは、宝石にふさわしい場???
(発表会でも、踊ると、はずれることがあるので、大ぶりのイミテーションがおススメ)

大粒の真珠、ダイヤ、ヒスイの指輪、大きなカメオブローチ、・・・などなど。
私は時々、ユニークな服を着ていると、そのうちのお一人に、「それ、あなたが作ったのですか?」
「金時(きんとき)さんみたいですね」と言われる。
一度ならいいが、何度も言われると、その人の美意識からすると、きっと理解できないのだろう。
いかにも素人の手作りくさい、チャチな縫製、素材の服を、わざわざ買うなんてありえない、
恥ずかしげもなく、いい年をして、そんな恰好で来るな、とでも言いたいのかも知れないが、
私は、たかだか社交ダンスのレッスンごときに、なんでキバルのか、理解できない。
彼女たちにしてみれば、そういった類のものをつける機会があまりないのか、
あるいは、外出する時は、宝石武装で身を固めるのが信条なのか、それは知る由もないが。
双方、意識が違う。
持たざる者のヒガミと取られると、私の言いたいことと、大きくズレるのだが、
世の中、いろんな人がいるということだ。