カンボジアは、第二次世界大戦後、フランスから独立したものの、
1978年からポル・ポト政権崩壊までの間に、
国民の3分の1が虐殺されたという悲劇の歴史を持つ。
近年に、3人に1人が殺されたということだ。
特に知識階級や都市住民が、そのターゲットにされた。
その後も内戦が激化、国内は混乱した。
国連が紛争解決に乗り出し、1993年に、新生カンボジア王国が誕生。
1992年に、アンコールワットも世界遺産となり、国内が安定したこともあり、
世界中から訪れる観光客が、激増した。
そういう背景があるので、お若い日本語ガイドさんや、ドライバーさんに
無神経に、政治や内戦のことを聞くのをためらわれた。
ひょっとして、親戚や肉親、友人たちも犠牲になっているのでは・・・と。
観光地で群がってくる子供たちの姿と、案内してくれるガイドさんの顔が重なってしまう。
彼らの子供の頃の顔が、はっきりと想像できる。
ホテルがあるシェムリアップの中心街は、とても新しい街という印象だった。
世界遺産登録後に建てられたものが多いように思う。
その中心地を少し離れ、
遺跡に向かう車道の両側には、現地の人々の家々が建つ。
台風がないというこの地ならではの、屋根は植物の葉で覆われ、手作業で作ったように見える家。
毎年、台風の脅威と闘う日本では、吹けば飛びそうな簡易ハウスだ。
ハンモックを吊り、暑さをしのぎながら、お昼寝する姿をよく見かけた。
子供たちがたくさん、遊んでいる。
食事中だったり、お昼寝中だったり、暮らしの様子が、外からよく見える。
人々の暮らしが垣間見える。
日本なら、外で遊ぶ子は減り、誰も、子供の姿さえ、住宅街から消えている。
バイクには、3人ぐらい乗る。
1~2歳ぐらいの幼児も乗せている。
幼児用の固定椅子も設置していないように見えるが、落ちないのかな?
見ていると、かなり危なっかしい。
とても小さい幼児を抱え、大きなバケツ2つを腕にかけ、バイクの後ろ席に乗っている若い女性。
農作業に向かうのだろうか。
お母さんたちは、パワフルだ。
大勢の生命力あふれる子供たち。かたや日本の幼児虐待や、育児ノイローゼ。
どっちが豊かな国なのだろうか・・・。
5人家族で、幼い子供3人を両親の間にサンドイッチして、バイクに乗っている一家を見かけた。
すごい。
これまた、バイク。
一瞬、何を抱えているのか、わからなかった。
裸の人? 死体? マネキン?
よく見ると、牛・・・。焼き牛だそうだ。
市場で、売られるものを、バイクで、後ろに乗っている人が担いでいた。
牛追いの子供が、牛を追っていた。
牛は、あばら骨がクッキリ浮き出て、ガリガリ。
そんな激痩せでは、あまり美味しくないだろう、と思っていたが、
食用ではなく、重要な働き者として、農作業の現場で活躍する。
タクシーは、乗合トラック。
屋根のないトラックの荷台に、大勢の現地の人たちが乗り込む。
落っこちそうになるぐらい、たくさんの人、人、人。
(写真は、あまり大勢乗っていない車しか、うまく撮れなかった)
運転手は、乗り込む人に行き先を聞き、人数が集まれば、出発し、
それぞれの場所まで行き、下ろす。
出発時間や到着時間は、その時まかせ。
値段は交渉のようだ。
バイクタクシー(トゥクトゥク)に乗っている、西洋人観光客を時々見かける。
自転車に、遠くまで出向いている西洋人も見かける。
ご年配の方々も、えっちらおっちら、酷暑の中をエネルギッシュだ。
日本人で、そういう元気モノには、お目にかからなかった。パワーが違うのか??
お手軽・簡便・快適を求める日本人。
私は、その中でも、現地の暑さに、身も心もへろへろ、気候適応障害、
最も軟弱、貧弱な、落ちこぼれ日本人なのだが。
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