その雑味。料理でもコーヒーでも、これの取り捨てに苦心する。つまり、その雑味も料理足る所以だしコーヒーの微粉もコーヒー足る所以と考えたら一生懸命に雑味やアクを取り過ぎるのもいかがなものか？と常日頃悩んでいる訳である。純粋な材料ばかりを集めて最高な料理や作品が出来るとは限らない。ある鳥居などを作って神社に納めている仏具屋に聞いたが、左右完璧に造ると神様が怒る。と。完璧は神様に許される事であり、人は完璧であったり完璧な品物を作ってはならないらしい。だから、雑味もアクも有ってこそ味だッ！というである。
やはり映像の世界でも、オイラはデジタル好みではなくビデオに想いが溢れる。だって、映画自体が未だフィルムである訳だからその描写が好みなんだなっ！実際に、写真撮影をしていると、澄んだ空気なんて殆んどありません。澄んでいる様に感ずるのは、朝の湿気や雨上がりの水蒸気なんかがその直前の天候よりも映えるから感ずるだけで、実際には空気感を感ずるのは大気の不純物のお陰である。大気には、湿気や埃などが入り混じり決して澄んでいるとは言えないから、逆にそれを映像としてつまり雑味として受け留めた方が美しく感じます。