そんな街、未々残っている。だが、行く度に解体されてしまった民家や木の塀、木造の駅舎や学校を見るとフイルムに残さなくてはっ！という想いに狩られる。実は、老後の楽しみに取ってある趣味が有りその為の今の叙情的古典派印画機械持込散歩術学なのだ。それは、昔懐かしい町並みの風景画である。だから頂いたカメラの精密描写も平行している。ある方に言われた。カメラは円と直線の集合だから描いていたらいずれ役に立つよっ！と。言われた通り頂く度に描いている。枚数を重ねる内にやはり観るに耐えられる絵に成って来た。一趣味誕生。
大変というのは、「～風」でなく実感として五感に杭入る様に味わう迄の自分造りが大変なんですなっ！つまり、一度や二度でなく何十回と回を重ねて旨いも不味いも経験し本質を得る迄が苦行なのである。だから好きでなければ続かない。昭和三十年代にパソコンなんて有りません、携帯電話も無い、カメラも電子制御ではないし、バイクも機械式キャブ。これ最新鋭のスポーツカーで最新鋭のデジカメでなら「懐古風」でしかない。昔風の街も様々有るが、地中電線で電信柱もトランスもない街に「懐かしい想い」を感じ事もないし、空気感も無い。