渋谷区役所で説明を受ける
視察2日目の午前は、渋谷区でした。欲張って、渋谷区では二つの異なる内容について説明を受けました。
一つ目は、「全国一」といわれる「子育て支援」について、二つ目は三田市でも目指そうとしている「税金のコンビニ収納」についてでした。
「子育て支援」の何が進んでいるのか?
何より、若い人たちがこの町に住んでいただけるようにしようと、そのための施策が実施されています。約20年ほど前から人口減少が進んでいましたが、この施策を続ける中で、2年前かr再び、元の20万人人口へ戻ってきています。
その施策として、「若者定住対策」では、「街の活性化」「マン所運などの高い賃料に見合う保育料の軽減策」がとられています。
ここには、区としての持続的発展をどのようにマネージするかという視点で、「若い世帯を増やし、街に子どもの声が聞こえるようにしよう」と実践されています。
保育料については、中間所得層の子育て家庭の経済的負担を軽くし、一方、高額所得者層は応能負担していただくとして、高い負担の保育料設定がされています。(世帯年収が400万円以下の世帯は「無料」、400万円~1000万円以下の世帯は20%~30%軽減、年収1000万円以上は7%~22%増額など)
さらに、3人目以降の保育料を「無料」。「待機児童」対策さくとして、「区立保育所」をつくり、「育休」中の方、「休職」中の方も含め、認可保育園などへ入れない子どもたちのために、区として保育の責任を果たそうとされています。
かつてと違って、子育ても変化してきています。「子育てにストレス」を感じる親も増え、「良い環境で子育てしていただこう」「毎年、4月1日には『空き室』ができるくらい保育所の充実を目指したい」(区長)としています。「保育の質」にも重点を置き、「国基準」を超える施策を打っておられます。
私たちとしては、なぜそこまでできるのかと疑問を持つのも当然。この点をお聞きすると、職員の口からは、「区長の行動の中にあります」として、土・日は必ず住民の中へ入っていき、様々な行事等で直接声を聴くこと、「区長への手紙」「区長へのメール」として、住民から直接区長へ声が通じるようにされています。毎週4~20件ほどの「声」が届いているとのこと。
二つ目の「コンビニエンスストアにおける住民票等の発行」については、4年前の2月から開始。
区役所は、「証明書コンビニ公布用サーバ機構」に接続するだけで、直接核店舗のコンビニとは接続をすることなしに、全国のコンビニ店で印鑑証明や住民票などを本人が入手できるようになっています。また、コンビニでも店員が証明書などを見たり、触れたりすることもなく、ミス印刷の場合でもそれは本人が持ち帰ることになっています。
コンビニでの公布機のメンテナンスはコンビニ側が行い、役所の費用は掛からない。何より、「役所にある自動交付機のメンテナンス費用を長期的にみた場合、コンビニ収納のほうが安くつく」とのことでした。
初期投資と長期的な見通しについては、更なる見当が必要と思われます。
昼食を食べる間もなく、墨田区へ移動しました。(視察計画でもまともに昼食が取れるか疑わしかったのですが、上手く渋谷区の共産党議員とお会いでき、意見交換させていただいたこともあって、昼食を逃してしまいました。)
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墨田区は、全国初の「中小企業振興条例」を策定し、地元企業が元気になって住民の生活も豊かになれるとして、条例制定だけでなく、そのための実態調査を職員自らの「足」で調べるという努力がなされてきました。その上で、中小企業の「やる気」をどのように起こさせるのかと行政が真剣に考え、「フロンティアすみだ塾」を立ち上げ、事業者自らが励まされ、新たな商品開発、地域ブランド化へと進んできています。
さらに、「ここでしか作れない」ものとして、海外へも売り込み、世界のブランド化へも挑戦されています。勿論、数はそれほどではないものの、若い後継者が育ち、若い人が挑戦するようになる中から「技術力」「商品力」を高めようとしています。
28年前から「中小企業センター」を設立し、直接役所の課長が組織的にかかわっています。「企業者の声を直に聞き、携わることができる。技術指導員、相談員を配置して、行政とのパイプ役をも務めている」とのこと。企業の自助を尊重しながらそれを支え、支援する体制が取られています。まさに、条例を活きたものにしているのです。
条例では3つの重点を謳っています。
① 区長の責務
②事業者の責務・・・自助努力
③区民の理解と協力
区として、ものづくりと販売だけでなく、観光にも力を入れ、観光で訪れて下さった方に墨田区を売り、「本物」を買っていただくという努力もなされています。そのために、隣の区との共同案内ができるパンフレットを作成するなど、珍しい取り組みがなされています。
区役所内での説明を受けた後、「おしなり商店街」を視察させていただくために、職員に案内をいただきました。
「おしなり証言街振興組合」事務所を訪れ、理事長の金澤武市さんから熱のこもったお話を約1時間半ほど(当初30分でいいですかといわれていましたが)を伺い、若い世代の声を尊重する中で、「奇抜」なアイデアもどしどし出される中、ユルキャラをつくろうとなったようです。
全国からアイデアを募集し、作成されたのが「おしなりくん」です。何と驚くことに(個人的にですが)この作品をつくられた方は、私の故郷の隣町の村瀬さんという方。(賀茂郡川辺町下麻生に住む方)
タワービル会社とも協力関係を築き、新たな戦略をもって進んでおられます。