三田市内の私立幼稚園PTA連合会による「まちの子育て広場」後援会が市内で開催され、参加しました。他の会派の市議も何人か参加していました。(7月9日)
子どもさんを抱っこした伊藤連合会会長さんのあいさつに続き、後援会に先立ち、大沢教育長のお話がありました。
「自分がだめな人間だ」と感じている日本の子どもたちが、お隣の韓国や欧米の国々と比べ、非常に高い割合でいるという、子どもたちのことを考えると悲しくなる。「自分にもいいところがある」という自尊感情や豊かな心を育てることが必要であると話されました。本当にそう思います。
しかし、なぜ日本の子どもたちがそのように自分を低く見、将来の展望を持てなくしているのでしょうか?
過度な、点数で評価したり、「比較」をすることで、自分を評価できなくしている今の教育の在り方そのものを変えないで、更にこれを推し進めようとする国と、それに従う自治体の在り方では、教育長の希望は叶えられないでしょう!
講演は、大阪総合保育大学教授の大方美香氏による「心豊かにたくましく」育つには、と題して話をされました。
子育て中の親の気持ちをしっかりとらえ、今ある自分は、かつては赤ちゃんであった。その赤ちゃんが「泣くこと」「笑うこと」を通して自分の意思を他者に伝え、体と心、知力が育まれる中で、成長する。一方で親は子育てが大変だ。
幼児期の一つ一つの動作は、人としての成長にすべて欠かせないことであり、その積み重ねがあって、大人としての人間に成長してくること。いくつかの事例を出しながら大変わかりやすくお話しいただきました。
子供の成長と他の人とは違うことを、それが自然だと思うことの大切さも話された。「親指と人差し指で丸をつくってみてください」と言われました。片方の手で丸をつくるだけでもいろいろな「形」があり、また両方の手の親指と人差し指を使って丸をつくることもある。
つまり、答えは一つだけでなく、また人によって「・・・作ってみてください」と言われたことを自分なりにイメージし、その答えは人それぞれによて違うこと。
かつて北欧のある国の教育について報道しているテレビ番組があったことを思い出しながら講演をお聞きしていました。
〇足す△=5 この〇と△は何でしょう?
〇引く△=5 この〇と△は何でしょう?
応えは幾通りもあり、どれも正解でどれも間違っていない。いろいろ自分の頭で考え幾通りもの答えが出せる。
一方、日本では、 3たす2=〇、 8引く3=〇 といった、一つの答えを求め、正解は一つしかない。
これで、思考力がつくだろうか?
これは、一つの極端な例ではあるけれど、日本の教育と北欧の教育の違いがそこに出ている。
人が生きていくうえで、自分の力で生きていくためには、様々な能力を生かしていかねばならない。その可能性を引き出すのが教育だろうと思います。
久しぶりに良い講演をお聞きしました。