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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

時雨

2023年11月20日 | 日記
温泉の帰りに虹が出た。太陽の軌道が低くなるせいで、この時期虹が出やすいらしい。東の千歳山の麓から、西の空へかかかるみごとな虹だ。折から、極地的な雨がさっと走りぬける。初冬の時雨だ。雨と光の定めないたわむれ、芳賀徹先生の『詩歌の森へ』の「冬来る」に使われた言葉だ。この時雨を追いかけるように虹がかかる。

つらつらと杉の日面行く時雨 加藤暁台

今日、感銘を受けた言葉。佐藤一斉『言志四録』より。「少にして学べば、即ち壮にして為すところあり。壮にして学べば、即ち老いて衰えず。老にして学べば、即ち死して朽ちず」(晩録60)この書を現代語訳した川上正光は、サムエル・ウルマンの詩「青春」を紹介している。老いのとらえ方に、二人に共通のものがあることを認めたものだ。

人は信念とともに若く、疑惑とともに老いる。
人は自信とともに若く、恐怖とともに老いる。
希望あるかぎり若く、失望とともに老い朽ちる。

80歳になった佐藤一斉は、耋録を残しそのなかでこんな名言を吐いている。

遊び怠けているのを見て、心が寛くこせつかないと思うな。
厳しく容赦しないのを見て、真直でいつわりがないと思うな。
利己的欲望を見て、志を立ててその実現を望み計るものと思うな。

80歳になって一斉が到達した境地は、真贋を見抜く眼力を持ったことだ。80歳になって、死を待つような怠惰なことは慎まねばならない。
コメント
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