雪が止まない。19日の低気圧の中心気圧は1016hpaであったが、北上して三陸沖に達した20日には996pha、北海道に達するころには956phaと大型台風並みの気圧である。このように急激に発達する低気圧は爆弾低気圧と呼ばれる。30m/s~40m/sもの強風が吹き、雪を伴えば、前方が見えなくなるホワイトアウト状態になる。すでに、北海道ではこの強風による玉突き事故、停電のニュースが流れている。まさに冬の嵐である。今年は2度目となる爆弾低気圧の発生である。このような日は、家にいてじっとしているに限る。
雪しまき我が転生のはぐれ海猫 笹沢信
雪しまくは冬の季語、いわゆる猛吹雪である。前方が見えなくなるような吹雪のなかを一羽のはぐれた海猫が吹かれている。飛島で青春を送った笹沢は何度も猛吹雪に見舞われたであろう。吹雪に吹かれて行き場所のない一羽の海猫に、自らの姿を見出している。笹沢の生は、風に吹かれ、日本海の荒海のなかに生き場所を定められないものであったのであろうか。