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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

花を楽しむ

2021年06月07日 | 
山で緑が輝きを増してくると、里に咲く花たちが美しく見える。雨が降って土に湿りがほどよくなると、草木は元気になり、咲く花も本来の深い色を出すようになるせいかも知れない。咲く花の一つひとつに思い出が詰まっている。ふり返って見れば、一人だけで見た思い出はあまりなく、そばに誰かがいて、一緒に花を愛でたような気がする。ホタルブクロは雑草のなかで、ポツンと咲いている地味な花である。その形から釣鐘草とも言うが、ホタルブクロという名がこの花を忘れ難くしている。

夕風に蛍袋のひとかたまり 細見綾子
ラジオを聞いていたら、オリンピックの聖火リレーが、昨日から山形県の入っているのを知った。それにしても、盛り上がりに欠ける聖火リレーだ。先刻、村山市のバラ公園をランナーがトーチを掲げて走っている。あたりはバラが咲き乱れていることだろう。偶然ではあったが、朝方、近所を散歩しているとバラを家の周りで育てているお宅ので、花の盛りを迎えていた。バラはその美しさで人を癒すだけではない。ほのかに漂う香気が、人の心を慰める。ペルシャの詩人ハーフィズの詩の一片。

微風が薔薇の花を恵みの水で洗ったとき
書物に目を通していても ひねくれた私を呼んでくれ
今年の千歳山のヒメサユリはあまり多くない。昨年は100mおきほどに咲いていたが、今年はわずかに3カ所。それも一つの株は、虫に喰われた花がかわいそうであった。栽培した花に比べると、自然のなかで根を増やして咲く花はいとおしい。花にカメラを向けていると、この山に登る人たちが、横目で花を見ながら追い越していく。吉田悟先生の『山の花』のヒメサユリの項を引く。
「高さ50㌢の茎頂に1~3個横向きに咲く。薄桃色。山形、福島、新潟、宮城4県の特産。」とある。吉田先生の子どもさんが我が家の子と、小学校で同級生であった関係で、何度かお宅に訪れたり、山登りの途中で写真を撮りながら歩く先生とお会いしたこともある。懐かしい思い出だ。





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