
コロナ禍の結婚式。芝生の上で、マスクをつけて。若い二人を祝福する人々の熱い気持ちが伝わってきた。そこには、世代をこえた共感がある。こんな詩を思い出しながら声にだして読みたい。
鳩 高橋睦郎
その鳩をくれないか と あのひとが言った
あげてもいいわ とあたしが答えた
おお なんてかわいいんだ と あのひとがだきとった
くるくるってなくわ と あたしが言いそえた
この目がいいね と あのひとがふれた
くちばしだって と あたしがさわった
だけど と あのひとがあたしを見た
だけど何なの と あたしが見かえした
あんたのほうが と あのひとが言った
いけないわ と あたしがうつむいた
あんたが好きだ と あのひとが鳩をはなした
逃げたわ と あたしがつぶやいた
あのひとのうでの中で
高速で5時間あまり。妻は疲れた様子を見せず喜んでいた。「もうこれが最後だと思う。遠乗りは。久しぶりのドライブ。」孫の晴れ姿を見て、しばしコロナの事は忘れて、その時間をいとおしんだ。若い世代からもらった元気。楽しい思い出になる。