
12月を師走という。お寺の僧、神社の御師が仏事は、新年を迎える準備で、東奔西走して忙しい月のため、こんな風に呼ばれているらしい。しかし、いかにも俗説という感じがする。年果てる、としはつ→しはつ→しはすが師走となったという、もっともらしい説もある。現役時代は、12月がとにかく色々重なって忙しい月である感じがあったが、職を辞してからは、やはり一年の最後、極月というのがぴったりとくる。古語辞典を引いてみると、師走坊主というのがあった。年の暮は、世間が忙しく、施しをする人もいないのでおちぶれたみすぼらしい坊さんのこととあった。こんなのを見ると、僧が忙しく走り回る月というのは、怪しくなる。
十二月(しはす)には沫雪降ると知らねかも
梅の花咲くふふめらずして(万葉集巻8・1648)
蕾のままでいれば、雪にあうこともないであろうに、早咲きの梅の花を思いやる女性の歌。
冬タイヤに替える人がぼつぼつ見える。天気予報に雪ダルマのマークが見え始めた。一日、一日と日が短くなり、気温が下がっていく。