常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

雪化粧

2013年11月29日 | 万葉集


家を周囲の山が雪化粧をした。その下の里山は、落葉を待つ木々の葉が霜枯れている。新雪の山は冬になればいつも見る景色ではあるが、一年ぶりに見れば新鮮な感じである。この冬は3年続きの寒い冬だとの予報があるが果たしてどうだろうか。

あしびきの 山に白きは 我がやどに 昨日の夕べ 降りし雪かも (巻第十2324)

あの山に白く見えるのは、我が家の庭に昨日の夕方降った、あの雪であろうかなあ。万葉集では、雪の歌を並べるのにも順番がある。最初には激しくは降らない淡雪を置き、次に庭に積もる雪、最後は山に積もった雪の順に並べる。

我が背子を 今か今かと 出で見れば 淡雪降れり 庭もほどろに (巻第十2323)

したがってこの歌は先の歌の前に置かれている。あの方のお越しを今か今かと待ちかねて戸口に出て見ると、淡雪が降り積もっている。庭中うっすらと。こんな情景は、昨今の雪の降り方とは」違って趣がある。昨日降った朱鞠内の積雪は、38センチと報道された。とても、戸口に出てみるような景色ではない。

それにひきかえ山形の新雪は、やや万葉の面影をとどめている。明日、金山峠の峠道で雪を踏みながら歩く計画だが、雪の山に行くというと、決まって「危ないから、止めろ」と忠告してくれる人がいる。雪崩が起きるような深い山でなくとも、雪山は危険というイメージが出来上がったようだ。雪山に入る人には、やはり十分な用心が必要になる。
コメント
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