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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

サクラ草の咲く小道

2013年05月15日 | 日記


この花も光禅寺のサクラの並木のもとに植えられている。黄色の花もあるので、この花がサクラ草であることについ最近まで気づかなかった。このピンクのかわいい花を見ると、なるほどサクラ草と名づけられたことを納得する。

英語ではprimroseと呼ばれる花である。primrose pathはサクラ草の咲く小道である。シェークスピアの『ハムレット』にこのサクラ草の咲く小道が出てくる。オフィーリアの兄レアティーズが、妹とハムレットの仲が接近し過ぎているのをあやぶんで忠告する。

レアティーズ「色恋のいくさは、せいぜい後手にまわって、危ない情欲の矢面にには立たぬがよい。油断してはならない。若さは誰がそばにいなくても、とにかく自身で暴発しがちだ。」

オフィーリアはこの忠告に、軽妙なつっこみで答える。

オフィーリヤ「結構な教訓をありがと。けれども、私にだけは天国にいたる茨の道をすすめながら、自分はふしだらな道楽者のまねをして、サクラ草の咲く小道を女とふざけて踏み歩いたりしちゃだめよ。」

この花は、若い盛りの女性を象徴する色であったのだ。この小道で、若い男女は恋におちる。夏目漱石も「サクラ草の咲く小道」を「人生が夢と出会う場所」と詩に詠んでいる。

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