みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0845「しずく84~反抗」

2020-03-26 18:18:41 | ブログ連載~しずく

 神崎(かんざき)つくねは男を睨(にら)みつけて言った。「あたしは戻(もど)って来たんじゃないわ。本当(ほんとう)のことが知りたかっただけよ。…あたしをどうするつもりなの?」
 男はがっかりした様子(ようす)で溜息(ためいき)をついて答(こた)えた。
「そんな顔をしないでくれ。せっかくの美人(びじん)が台無(だいな)しだ。ママも悲(かな)しむぞ。…君(きみ)には、ぜひやってもらいたいことがあるんだ。ママの代わりに、我々(われわれ)に協力(きょうりょく)してほしい。これは、君(きみ)のためにもなる話しだ」
「イヤよ。あたしは、ママを殺(ころ)した人たちなんかと…。そんなのあり得(え)ないわ」
「パパが頼(たの)んでもかい? よく考えるんだ。私の誘(さそ)いを断(ことわ)るということは、どういうことなのか…。それとも、ママから何か、聞かされているのかな?」
「そんなこと…、あなたに教えるつもりはないわ。絶対(ぜったい)に協力なんかしない!」
 男は、つくねの後ろに回り込み彼女を抱(だ)きしめた。そして、彼女の耳元(みみもと)にささやいた。
「とても残念(ざんねん)だよ。君は、ママと違(ちが)ってもの分かりのいい娘(むすめ)だと思っていたのに…」
 つくねは縛(しば)られた身体(からだ)で必死(ひっし)にもがいた。そのはずみで椅子(いす)が横に倒(たお)れてしまった。男は、まるで小さな子供をあやすように椅子を戻(もど)すと、
「仕方(しかた)がない。君を助(たす)けてやろうと思ったが…。君には、実験台(じっけんだい)になってもらおう。能力(ちから)を強化(きょうか)する実験だ。これが、なかなか上手(うま)く行かなくてね。でも、君はママの血筋(ちすじ)を引いているから成功(せいこう)するかもしれない。それと、洗脳(せんのう)もしないとな。親(おや)の言うこと聞くように」
<つぶやき>親の言いなりにさせるなんて、ひどい人です。つくねはどうなっちゃうの?
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