みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0827「惹きつける」

2020-03-08 18:21:37 | ブログ短編

「ねえ、やよいの彼を奪(うば)ったってほんとなの?」
「あたし、そんなことしてないわ。ただ、ちょっと声をかけただけよ」
「もう、そんなこと止(や)めてよ。あなたがそういうことするたびに、私の方に苦情(くじょう)がくるんだから。このままじゃ、私、友だちいなくなっちゃうわ」
「どうして? あなた、何もしてないのに…。あたしだって、別に恨(うら)まれることなんか…」
「してるじゃない。それも、何回も…。もっと、私の知らないところで――」
「変ね…。あたしは、お茶(ちゃ)にお誘(さそ)いしただけよ。それが、いけないことなの?」
「だから…。あなたが、変に気を持(も)たすことするから、別れ話になるんじゃない」
「それはおかしいわ。あたしは、その方に恋愛感情(れんあいかんじょう)なんか…」
「でも、男の方にはあるの。確(たし)かに、あなたには悪気(わるぎ)はないでしょうけど、あなたを見た男どもは、あなたと付き合いたくてうずうずしちゃうわけ。声をかけられただけで舞(ま)い上がっちゃって、理性(りせい)がぶっ飛んで、あなたのことしか見えなくなっちゃうの」
「そんなこと、あたしはないと思うけど…。だって、あなたの彼とも、何回もお目(め)にかかってるのよ。でも、そんなことになってないでしょ?」
「えっ、ちょっと待って…。私、そんなこと聞いてないわよ。何で、そんなことに…」
「あなたの彼、会うたびにあなたのお話ばかりするのよ。うらやましいわ」
<つぶやき>こんな希有(けう)な男性もいるんですね。しかし、彼女の女子力(じょしりょく)は半端(はんぱ)ないです。
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