みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0450「しずく5~転校生」

2019-01-30 18:37:44 | ブログ連載~しずく

 朝のホームルームの時間。担任(たんにん)の先生と一緒(いっしょ)に女の子が入って来た。転校生(てんこうせい)?
 教室(きょうしつ)がざわついた。特(とく)に男子。その女の子がけっこう可愛(かわい)かったので、かわい~ィとか、オレ惚(ほ)れちゃいそう、などなど。全(まった)く男子の頭の中はどうなってるのよ。
 しずくが呆(あき)れて見ていると、先生が声を上げた。「こら、静かにしろ!」
 朝の挨拶(あいさつ)をすませると、先生は黒板(こくばん)に転校生の名前を大きく書いた。神崎(かんざき)つくね。彼女はみんなの前に立つと、緊張(きんちょう)した面持(おもも)ちで頭を下げた。確(たし)かに可愛い。女子から見ても異論(いろん)が出ることはないだろう。この学校でも五本の指(ゆび)には入るはずだ。
「席(せき)は……月島(つきしま)の隣(となり)が空(あ)いてるな。じゃあ、そこへ座(すわ)りなさい」
 先生が彼女を促(うなが)した。しずくの席の隣。ずっと休んでいる子の席だ。しずくもどんな子なのか一度も顔を合わせたことがない。つくねは席のところまで来ると、しずくにちょこんと頭を下げた。何か、感じのいい娘(こ)だな、としずくは思った。
 授業中ずっと、しずくは隣のつくねのことが気になってしまった。物静(ものしず)かで、どこか謎(なぞ)めいたところがある。それに…、どこかで会ったことがあるような。しずくは不思議(ふしぎ)な感覚(かんかく)を味(あじ)わっていた。放課後(ほうかご)、しずくのところに涼(りょう)がやって来て、
「ねえ、これから初音(はつね)と三人で買い物に行かない? 私、買いたい物があるのよ」
 その時、ぽつりとつくねが言った。「今日はやめた方がいいよ。良くないことがあるから」
<つぶやき>つくねってどんな娘なんでしょう。ちょっと気になりません? この先は…。
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