暇つぶし摂理霊話 人魚姫

2015-02-24 13:06:51 | Weblog
さてこの人魚姫、というか人魚、日本では微妙に不人気である。 猫又や天使型の
羽付き、ケンタウロス型や竜人等に比べ創作物で主役級を張る機会に乏しく見える。
おそらく、陸を歩けない事がそのまま扱いにくさとなっているものかと。
今回取り上げたのはこの、ディズニー作品などでは人気の「人魚姫」のストーリー
がどうにも「雰囲気の霊」っぽく思えた次第につき。 そうこうしているうちに別
方面から新たな事実に気付いた。 パラケルスス氏のウンディーネである。 曰く、
それは魂が無く、男と結婚すると魂を得るが禁忌である、と。 元ネタがこちら
魔術師の類が書いたものなのだとするとそれが「霊の話」として通用するのも道理
だわな、真理の側にようこそだ。

人魚姫の話はだいたいこんな感じのはず。
1. 人魚姫、王子に惚れる
2. 人魚姫、海で王子を救う
3. 救われた王子、救った相手を認識できず
4. 人魚姫、人間になろうとし魔女を訪ねる
5. 魔女、人魚姫から声を奪う
6. 王子、別の女と結婚
7. 人魚姫、王子を殺せば泡となって消えてしまわずに済むと知るも為さずに消滅

Wikipediaを読んでみたところ結末が「空気の精となって天国へいった」とあったが
これはこれ。 特に注目しているのが人魚姫が魔女に声を奪われる段落。 私は
これを、霊の持つ自己規定の剥奪なのだろうと捉える。 海をたゆたう、ある意味
で人を惑わす雰囲気の霊この自己規定中核、世界に対する作用点が「声」だったの
だろうと。 海の霊、おそらく海難の霊だろう、としての自己規定を失えば残るの
は「王子を好き」で「人間になりたい」という意思のみ。 こうして海難の霊は
人間となったと。 王子を殺せば人魚に戻れるも同様。 そうした「行動」により
人間としての自己規定を捨てれば海難の霊としての自己規定を再構築出来る。
こうしてみると物語冒頭で王子が遭難したのも「人魚姫が彼を求めた」結果だった
のではないかといった推測も成り立つ。
こうして見ると魔女が声を奪ったのは海難の霊の希望を叶えるには他に方法が
無かったからでありまた王子が他の娘と結婚したのも別に神様の意地悪というわけ
ではなく、むしろその方が王子のためだったのだと。 そして王子が殺されるのは
誰が悪いわけではない、というより皆が悪い、状況下での、霊同士の求め合いその
ありふれた一結末だったのだと。
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