理想社会について

選択の
自由あるのは
日常に
平穏があり
先を見てこそ

傘で母を刺した。
刺しておいてなんだが、死んで欲しくないとも思った。
夢の中でだが。
で、考えた。
刺す理由は何か。
邪魔だから。
死んで欲しくない理由は何か。
体面。　隣人の一。　現状の継続性。
生という先入観。　死体処理の面倒さ。
自分が理由で死なれると罰がある。
生きていたほうが便利な面もある。

さて理想社会について考えてみる。
理想社会とは何か。
バナナだろう。

一年中豊富なバナナ。
丸太に乗って海に出ればすぐに銛で魚が採れる。
そんな社会。
ではそこで暮らす人たちはどうなるか。

朝、起きたらバナナをもいで食べる。
昼、腹が減ったらバナナをもいで食べる。
夜、適当な時間にバナナをもいで食べる。
気が向いたら、あるいはバナナに飽きてきたら魚や蟹を採りに行く。
毎日がその繰り返し。

少し視野を広げてみる。
水はどうするか。　池や小川があるとしよう、そこから飲む。
家はどうするか。　木組みにバナナの葉っぱ、ロープはその辺に生えているツタ。
服はどうするか。　裏山で鹿が狩れるので、その皮を利用する。
トイレはどうするか。　海岸の一角がトイレということにになっている。
娯楽はどうするか。　暇な人が歌ったり踊ったり太鼓を叩いたりする。
必要かどうかは不明だが食器は。　適当な大きさの貝殻や椰子の実をくり抜く。
嵐が来たらどうするか。　海岸に洞窟がある事にする。　家は建て直す。
工具はどうするか。　貝殻や石を加工する。　技能職になるだろう。
木の加工は大変なのではないか。　折れる太さの竹が生えていることにしよう。

最低限の労働で済みそうだ。
予想予測も必要無い。
誰かが汚さない限りは。

ではその社会の、歴史経過を考えてみる。
ようすうに男と女がセックスして子供が出来る状況である。
結婚制度はあるか。
無いなら女が子供の面倒を見て、男は遊んで暮らす。
有るなら男が食料を運んできて家も服も用意することに。
子供のウンコはどうするか。
歩けないようなころはバナナの葉っぱの上に置いておいて、
ウンコをしたら葉っぱを取り替え、子供は海で洗う。
老人や病人、怪我人はどうするか。
近くで暇な人が面倒を見る。
バナナの葉っぱを敷いておきウンコしたら交換し、人は海で洗う。
死体はどうするか。
船に乗せ、沖まで運んで海に流す。　意外と重労働かもしれない。
ウンコのついた葉っぱはどうするか。
トイレの近くに積んでおき、適宜燃やす。
木切れを擦り合わせる。　火おこし弓が使えることにしよう。

かなり社会っぽくなってきた。
ではここいらから社会問題に目を向けていこう。
ウンコの葉っぱが風で池まで飛ばされて落ちた。　水が汚れた。
ゴミ捨て場に風除けの覆いを建てることにしよう。
ウンコの葉っぱは覆いの中以外に捨ててはいけないというルールを作る。
ゴミ捨て場の覆いが嵐で壊れた。　嵐の後でみんな忙しい。
暇になったら建て直すことにしよう。
誰かが川の上流の水辺で鹿を捌いた。　川の水が汚れて臭くなった。
川原で鹿を捌いてはいけないというルールを作る。
先週流した死体が海岸に漂着した。　腐臭がすごくて誰も近寄りたがらない。
みんなで流しなおす人を選ぶ。
死体を流すのは沖への海流の有る場所というルールを作る。
工具作りの技能者が死んだ。　ろくな工具が作れなくて困る。
賢い子供に技術を伝えて途切れないようにするようルールを作る。
嵐の後で良い工具が取り合いになる。
工具を多めに作っておく事にする。
みんながツタを採っていったら近くのツタ場が無くなった。
若いツタは採ってはいけないというルールを作る。
魚が多く採れてみんなで食べたら毒があった。　みんな寝込んでしまった。
食べて良い魚を決めてそれ以外は食べないようにルールを作る。
家を建てるのが上手い人と下手な人がいる。　下手が建てるとすぐ壊れる。
上手い人はなるべく下手な人を手伝うように。
若い人がルールを知らなかったりする。
ルールをみんなで教えあうようにする。

嵐に耐える家と立地条件、きれいな毛皮、働き手や若い女の人気の奪い合い、
重労働の疲れから起きる事故、流産の怨恨、ルールの紛糾や皮膚病問題などが
起こるとより我々の社会らしくなり、そこに人口増加があったりすると
理想からかけ離れて行くような気がするが今回はこの辺まで、ということで。

さて問題だ。
技能や知識は財産だろうか。