地上では
見えぬ事柄
数多く
出来ぬ判断
上に丸投げ
1990年代、日本は不況に突入した。
ロシアも今日と比べた場合不況と呼べる状況だったはず。
経済、雇用情勢を主とすると、日本では氷河期世代の多くが失業者
という枠にはまったが、それ以外では以前と同様の秩序が保たれてきた。
一方ロシアではマフィアが台頭した。
政治はどうか。
バブル崩壊後旧人たちによる失敗責任のなすりあい心理からか
政治混乱が起き、今なお絶賛混乱中である。
一方のロシアでは酔っ払いクーデターからマフィアに権力が移行した。
この差はどこからきたのか。
地下資源、特に化石燃料資源の有無というのが答えの一つだろう。
最近では天然ガスは生物ではなく地球起源だとの説も有力らしいが。
教育の差、というのも定番の答えだ。
ここに疑問を持つ。
ロシア、つまりソ連は義務教育の水準において当時は
先進国に分類される状態だったはずだ。
条件の違いはあるにせよ、社会主義義務教育は体制崩壊下での
モラル維持に役に立たなかった、そういう結論となる。
大きな波が来たら防波堤が崩壊した。 なんのための防波堤だ。
マフィアの兵隊は二十代前後の表経済からすると失業者に分類される
人間が中心のはず。 兵隊の居ないマフィアがマフィアとして
存続するとは思えない。
マフィアの中核は四、五十代のはず。
それ以上だと老人で体力に問題が生ずるはずで、
未満だと若造、マフィア社会でも経験不足とみなされるはず。
2000年の時点で二十代だと義務教育は1980年代後半の人間が中心、
四十代だと義務教育は1960年代後半。
二十代の教育が1990年代に差し掛かったとしても
当時の学校教育の現場が崩壊していたという話は聞かない。
いくつか仮説を並べてみる。
・マフィアの中心はカフカス地方出身者で教育が違っていた
・1960年代には教育の現場でも思想崩壊が進んでいた
・冷戦期からあった脱出欲の問題が表面化した
・地下資源があるとどの道こうなる
・アメリカの勝利でマフィア経済が正しいとされてしまった
・義務教育ではもっぱら思想の植え込みが行われていた
・モラル形成は家庭や地域によるもの大きくそれが欠けていた
とりあえずの結論としては、モラルを学校教育単体で考えるのは
どうやら不毛っぽいなと。
さて問題だ。
麻薬、賭博、買春、故買。
こういったものに手を出さない人とはどういう人か。