海外のニュースより

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「科学者達は、温暖化する世界の現実について警告している」と題する『ガーディアン』紙の記事。

2007年04月07日 | 環境問題
 昨日、世界の科学者達は、地球上の生活に対して厳しい予測を公表したが、その中で、気候変動のインパクトに関して最新の評価が述べられている。
温暖化する世界は、数千万人の人間を食糧と水資源の危機さらし、数千種類の植物や動物の生き残りを脅かすだろう。洪水、熱波、嵐、旱魃などが、増大すると予測される。貧困国の住人が最悪の影響を蒙るだろう。
 報告書を公表した「国際パネル」の議長であるラジェンドラ・パチャウリは、「最も打撃を蒙るのは、世界の中の貧しい人々の中の最も貧しい人達だが、この中には繁栄している国の貧困者も含まれる」と述べた。
 報告書の公表が遅れたのは、報告書を書いた科学者達といくつかの結論を弱めることを主張したいくつかの政府代表との間の議論のせいである。
ある科学者は、大勢の科学者は、「気候変動に関する国際パネル」に参加しようとしなかったと述べた。
 報告書を作製した作業グループの副議長となったマーティン・パリーは、「いくつかの声明が出されなかったのは残念だ」と言った。ある図表は、それぞれの緯度における気候変動のインパクトを図示していた。「だが、報告書は、弱められてはいない」と彼は主張した。
 パリー博士は、気候変動を示す証拠は、動物、植物、水に直接影響する。「初めて、われわれはもはやモデルでもって興奮させてはいない。これは経験的データだ」と彼は述べた。
 四つの地域が特に損害を被りやすい。「急速に気温が上昇し、氷が溶けている北極、乾燥地帯がますます乾燥すると予測されているサハラ砂漠以南の地域、小諸島には、適応する力がない。何十億もの人たちが洪水に遭う危険のあるアジアのデルタ地帯がそうだ。」
東アングリア大学の「チンダル気候変動研究所」の科学者であるニール・アッジャー教授は、報告書の作成を手伝ったが、彼は「気候変動のインパクトにおいては、誰も得をする者はいない。免疫のある国は存在しない」と述べた。
 ブリュッセルの「国際パネル」が公表した報告書は、すべての大陸や海洋における自然システムは、気温の上昇の影響を受けており、人間活動に起因する温暖化は、多くの物理学的生物学的システムに認識可能な影響を及ぼしているように見える。
 研究された種の30%以上は、気温が、年平均1.5度から2.5度上昇するなら、消滅の危機に瀕している。珊瑚礁、北方の樹林、アルプスの生態系も取り返しがつかないほど、破壊されるかもしれない。(中略)
 アッジャー教授は、「適応は、必要だが、万能薬ではない。報告書は、適応が現在、起こりつつあるという新しい観察にハイライトを当てている。地域政府や個人の農場、住宅所有者や保険会社は、すべてかれらの位置、実践、政策を変えつつある。目下、これらの努力はどこでも十分ではない」と言った。
 昨日の政策担当者のための要約は、人間活動が最近の温暖化に責任があるようだという二月の国連の同様の要約を引き継いでいる。
 「気候変動に関する国際パネル」の第三回報告は、来月公表される。
 アッジャー教授が言うには、科学者達は、地球温暖化に対する原因と影響の間にある明白な繋がりを指摘した報告が落とされたことにがっかりしている。これは、中国、ロシア、サウディ・アラビアがいくつかの所見を認めるのを特にいやがったために、起こった。
[訳者の感想]地球温暖化の原因が何であるかは、かなりはっきりしたので、それらを取り除くよう努力することが人類に課せられた課題だと思います。
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