海外のニュースより

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「コペンハーゲン会議の後の連邦首相の無力」と題する『フランクフルター・アルゲマイネ』紙の記事

2009年12月21日 | 環境問題
コペンハーゲンの気候変動サミットは成功ではなく、小さい成功ですらない。だからと言って、アンゲラ・メルケルが警告しているようにその成果を否定することは出来ない。このサミットの成果は決してはっきりとは示せないと彼女は言う。
コペンハーゲンの挫折は、包括的である。その帰結は、人間によって作り出された地球温暖化に対して世界共同体は何をする用意があるかという問いをはるかに超えている。193の国家や政府指導者の会合は、世界政治の継続に対する中国とインドの影響を見せつけた。それは、米国の本当の援助がなければその目標を貫くことができないというヨーロッパ人の無力を明らかにした。準備不足で拙劣に組織された世界気候会議の結末によって、ドイツでは付随した損害が憂慮されている。
二年間の準備と二週間の集中した交渉にもかかわらず、世界共同体は、具体的な問題ではあまり一致しなかった。「コペンハーゲン合意」と銘打った会議の記録でさえ、総会では結論されず、「承知しておく」に過ぎなかった。国際外交の用語では、決してこれ以上敷居が低かったことはない。
その際、この文書でさえ、内容の乏しさの点で水準が引き下げられた事はない。確かに、地球の気温の上昇を摂氏二度以下に抑えるという目標は掲げられている。だが、どの箇所で、如何にして、いつ、誰によってその目標が到達されるべきかは言明されていない。ヨーロッパ人が決定してほしいと望んでいたあらゆる基準が欠けている。炭酸ガスの世界中での排出を下げるための目標は存在せず、2050年までに排出量を50%下げるという努力ははるか遠くに押しやられた。欧州連合や日本のように、京都議定書に従わない国々にとっては削減基準値は存在しない。せいぜい、検証抜きの自発的告知だけが存在している。
CO2の最大の排出国である中国、米国、インド、ブラジル、南アや他の国々は、国際的な削減目標に関わりあうことを望んでいない。これらの国々は、国際法上の拘束力ある条約の中に書き込まれることを望んでいない。そのことを彼らは、会議の前に宣言していた。小さな島国を保護するという告白や、子供や子供たちの子供の福祉に対する誓約にもかかわらず、彼らは、この線を固持したのだ。(後略)
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